ABEMAのオリジナルドラマ『死ぬほど愛して』(毎週木曜23:00~ 全8話)で、小泉彩葉役を演じる田中美久にインタビュー。後編では、彩葉を演じる上で意識していたことや、俳優業にも活きているというグラビアの経験などについて話を聞いた。


○不倫する役が続くなかでも「違いを見せていける役者になりたい」

――お芝居は、自分の経験を活かせることも多いと思うのですが、自分とはまるで違う役になると、イメージで補っていく必要があるのかなと思っていて。

そうですね。

――彩葉のような役を演じる時は、どのようなことを意識しながら、お芝居に臨んでいますか?

いろんな役をさせていただくことによって、いろんな人の気持ちがすっと入ってくるようになったというか、こういう気持ちの人もいるんだなっていうのが受け止めやすくなりました。受け止めやすくはなったんですけど、彩葉ちゃんの場合は、いい子には見せないようにしようと。いい子ではないんですけど(笑)。

――いい子とは違うかもしれません(笑)。でも、彩葉にもいろんな事情があって、ただただ悪い人とも言い切れない。

はい。でも、彩葉に何があったとしても、悪女っぷりを思いっきり出していこうと思いました。どうやったらこの役がもっと活きるんだろうって、ずっと考えていたんですけど、いろんなキャラがいるなかで、自分は色気といいますか、そういう部分で頑張っていかなきゃなと思ったので、それがうまく役に活きてたらうれしいです。私、不倫する役が結構多くて。

――確かに多いですよね。


どういうことなんでしょう(笑)? でも、不倫する役が多いけど、毎回一緒だねとは思われないようにしたい。不倫モノっていうジャンルは一緒でも、内容によって、自分が演じる役は全く違うので、その違いを見せていける役者になりたいですね。

○芝居では目線の使い方を意識

――田中さんといえば、アイドル時代からグラビアで大活躍されている印象があったのですが、近年は俳優業も増えていると思います。改めて、演技というものはいかがですか?

演技のお仕事は、ずっと“切れない”というイメージがあります。

――というと?

グラビアの撮影の時は、シャッターを1回切るたび、そこだけ決めるという感覚なんですけど、演技はカメラを回しっぱなしの時もあるので。なので、目をより大切にしてますね。お芝居を通して、目線の使い方は意識しています。あとは、あんまり考えすぎないほうが、私はいいのかなって。それで相手に合わせた演技ができて、やりやすいと言ってもらえるのが一番うれしいです。自分に足りない部分かなとも思うので。

――受けの演技はやっぱり難しいとよく聞きます。

そうなんです。
ドラマ『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京系)で、松本まりかさんと共演させていただいたときに、そう来たか! となることが多かったので、まりかさんに成長させていただきました(笑)。

○グラビアの経験が俳優業に好影響

――すごく成長できそうです(笑)。あと、グラビアで独自の存在感を放っていた方は、特にすごみのあるお芝居をされる印象が個人的にあって。グラビアの経験が活きていると思うところはありますか?

監督さんから「こういうふうに演じてほしいと言ったら、それをそのまま演じてくれる。感じ取るのがうまいね」と言われたことがあるんですけど、それは、グラビアで撮られているときに、こういうふうに撮りたいのかな、こういうふうに見せたいのかなとずっと考えていたので、その頭の回転が活きているのかなって。それは結構大きいかもしれないです。

――以前、柳ゆり菜さんにお話を伺ったとき、監督から「グラビアをやってきたことで、心の持ち方や開き方が違う。だから、すごく信用できる」と言ってもらったとお話されていて。田中さんのお話にも通じるものがあるのかなと思って、感動しました。最後に、今後やってみたい役があれば、教えていただきたいです。

ラブコメにヒロインで出たいです!

――今はちょっと不倫する役が続いているので。

はい(笑)。
あとは、ものすごいヤンキーの役もやりたいです。制服を着られる時間も限られていると思うので。

(C)AbemaTV,Inc.

■プロフィール
田中美久
2001年9月12日生まれ、熊本県熊本市出身。2013年、11歳の時にアイドルグループのHKT48に3期生として加入。2023年12月29日、グループを卒業。卒業後は俳優業を中心に活躍している。主な出演作は、映画『#真相をお話しします』(25)、ドラマ『シンデレラ・コンプレックス』(24・MBS)、『夫の家庭を壊すまで』(24・テレビ東京系)、『3年C組は不倫してます。』(24・日本テレビ系)、『おむすび』(24・NHK総合)など。
編集部おすすめ