米Instagramは4月22日(現地時間)、スマートフォン用の動画編集アプリ「Edits」(iOS、Android)をリリースした。

同社は、米国において中国資本下でのサービス提供を違法とする新法、いわゆるTikTok規制法の成立を受け、TikTok規制の動きが強まった1月19日に「Edits」を発表していた。
ByteDance(TikTokの親会社)が開発・提供する動画編集アプリ「CapCut」に対抗する形で投入されたアプリである。当初は3月13日のリリースを予定していたが、2度の延期を経て正式リリースに至った。

Editsは、動画クリエイターが必要とするツールを1か所に集約し、撮影から編集、Instagramでの公開・分析まで、一連のプロセスを1つのアプリでサポートすることを目的としている 。

クリエイター経済の拡大に伴い、撮影、編集、プロジェクト管理などを支援する多様なアプリが登場してきた。しかし、複数のツールを使い分ける煩雑な制作フローは、創造的な作業に割ける時間を圧迫する。Editsは、こうした課題を解消するオールインワンプラットフォームとして開発された。

シンプルなインターフェイスで効率的に作業でき、基本的な編集機能からAIを活用した高度な機能まで幅広く備えている。作成した動画は、無料で透かし(ウォーターマーク)なしの書き出しが可能。同社は「InstagramやFacebookに限らず、あらゆるプラットフォームで、クリエイターが思い描く形で自由に自己表現できるクリエイティブツールを目指す」としている。

具体的な機能としては、高品質なクリップを最大10分間キャプチャし、すぐに編集を開始できる。1フレーム単位で正確に編集できるタイムライン機能を備え、動画のタイミングや動き、エフェクトの調整ポイントを正確に指定可能である。さらに、自動補正機能や、グリーンスクリーン(指定部分を透明化して背景合成を行う機能)、トランジション(場面転換効果)など、表現の幅を広げるエフェクトも利用できる。
また、静止画をAIで動画に変換する「アニメーション」機能や、複数言語の自動キャプションなど、機械学習を活用した機能も充実している。

複数のプロジェクトを一括管理できる機能も備え、中断した作業をすぐに再開可能である。Instagramで公開した動画については、インサイトデータを通じてエンゲージメントやスキップ率など各種指標を把握できる。

今後は、位置やモーション、エフェクトを精密に設定できるキーフレーム機能や、AIを活用して動画全体の雰囲気やスタイルを迅速に変更する機能、さらにはコラボレーション機能の追加も予定されている。加えて、フォント、テキストアニメーション、トランジション、音声効果、フィルター、音楽オプションなどの拡充も計画している。
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