LIFULLは4月24日、「2025年の住まい探しの繁忙期市況 単身向け物件ワンルーム、1Kの問合せデータ」を調査した結果を発表した。
調査は、2021年~2025年の1~3月に「LIFULL HOME'S」に掲載された単身向け物件のうち、全国の政令指令都市および東京23区の賃貸物件を対象に、問合せ件数や問合せ賃料(管理費込み)、問合せ徒歩分数などのデータを集計・分析した。
まず、全間取りのうち、東京23区内で単身者向け間取りの問合せ割合を調べたところ、最も問合せ件数が多かったのは「1K」で39.9%。2021年(37.1%)からの5年で2.8ポイント増加し、間取り別で最も大きな伸びがみられた。また、2021年には8.4万円だった問合せ賃料は2025年には8.9万円となり、新大学生や新社会人には少し手が出しにくい賃料となっている。次点は「ワンルーム」(19.4%)で、問合せ家賃は緩やかに上昇しながらも7万円台をキープしている。
また、2021年~2025年の東京23区のワンルームと1Kの問合せ物件の詳細条件についてみてみると、築年数は長くなっており、5年間でワンルームは+1.7年、1Kは+2.6年。問合せ面積は昨年、今年と増加傾向にはあるものの、5年間でワンルームは+0.11㎡、1Kは-0.07㎡と概ね横ばいに。また、最寄駅からの徒歩分数はワンルーム・1Kともに5年間でほとんど変化がないことから、「駅からの近さ」が依然として物件選びの重要な条件であるよう。
家賃は上がっているのに、部屋は広くならないし新しくもならないという……、東京23区での物件選びの厳しさが感じられる結果となった。
次に、東京23区をはじめ全国の単身向け間取り(ワンルーム、1K)物件のニーズの地域差があるのかを、東京23区と県庁所在地のある市ごとに調査した。その結果、ワンルームの問合せ物件において平均面積が最小となったのは「東京23区」の19.43㎡。2位は僅差で「神奈川県横浜市」(19.50㎡)という結果に。
以下、3位「京都府京都市」(21.14㎡)、4位「大阪府大阪市」(21.78㎡)、5位「埼玉県さいたま市」(22.26㎡)と続き、6位に「沖縄県那覇市」(22.42㎡)、8位に「北海道札幌市」(23.01㎡)など、全国的にワンルームは20㎡以上の物件への問合せが多く寄せられているなか、「東京23区」や「横浜市」は特に狭いことがわかった。
一方、1Kの問合せ物件において平均面積が最も狭かったのは「神奈川県横浜市」の22.57㎡。2位は「長崎県長崎市」(22.71㎡)、3位は「福岡県福岡市」(23.21㎡)、4位は「東京23区」(23.29㎡)だった。
面積単価は東京23区の3,840円が全国で最も高く、同程度の広さの1Kであっても割高。また、東京23区における20~24歳の給与内賃料負担率は33.60%で、無理なく暮らしていけるか慎重になる必要が。今回の結果を受けて同社は、負担率が30%を下回る「横浜市」(負担率28.15%)や「さいたま市」(同22.81%)、「千葉市」(同22.81%)などのエリアでの住まい探しも有効だとしている。
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