筆者は、よく音楽配信サービスの「プレイリスト」を活用しています。新しい楽曲やミュージシャンとのランダムな出会いがあるからです。
先日、Amazon Musicが公開しているプレイリストを検索していたところ、一風変わった「ペットのための音楽プレイリスト」を発見しました。ペットと暮らす日常をもっと快適に、もっと穏やかに過ごすために、Amazon Musicが独自に編集したプレイリストです。ペットに音楽を聴いてもらうと、どんな効果が得られるのでしょうか? 愛犬と暮らす筆者の友人が通う動物病院「祐天寺どうぶつ医療センター」(東京都目黒区)の獣医師、廣田怜大先生にうかがいました。

お留守番しているペットの不安を音楽が解消

Amazon Musicでは、最新のヒットチャートを反映したプレイリストや、ユーザーのライフスタイルに寄り添った独自のプレイリストを幅広く展開しています。今回筆者が取材した「ペットのための音楽プレイリスト」は、飼い主と暮らす犬・猫に代表されるペットが、お留守番の時や車による移動中も音楽を聴きながらリラックスできるように選曲されたプレイリストです。音楽配信サービスは「ペットの癒やし」にも効果があるのでしょうか。

振り返れば、2020年から数年続いたコロナ禍の間に、犬や猫を家族の一員に迎える家庭が増え、以後ペットの心身の健康に対する飼い主の意識もさらに高まっています。

廣田先生によると、海外ではそれよりも前から音楽がペットのリラクゼーションやストレスケアにもたらす効果が注目されてきたそうです。

Amazon Musicには、さまざまな「ペットのための音楽プレイリスト」があります。廣田先生の祐天寺どうぶつ医療センターは、犬と猫の診察と治療を専門とする動物病院なので、犬と猫のためのプレイリストを廣田先生に試聴していただき、印象をうかがいました。
「犬とリラックスする癒しの音楽」

「猫とリラックスするクラシック」

「犬とリラックスするクラシック」

プレイリストの楽曲を聴いた廣田先生は、「とても耳なじみがよく、ペットだけでなく人間にとってもリラックスできる楽曲が揃っている」と評価します。

「これらの音楽プレイリストは、ペットと一緒に過ごす日常のさまざまな場面で使えると思います。
ご家庭の中でペットが安心して過ごせるケージの中、定位置のクッションなどでリラックスしながら過ごしている時に、このプレイリストの音楽を聴かせてあげれば、その空間がさらに心地よくなります。それだけでなく、例えば通院や旅行など環境が変わる場面でも、いつものリラックスできる音楽を聴かせてあげれば、移動中の自動車やケージの中でも大人しく過ごしてくれると思います」
音楽によるリラックス効果を最大化する方法

廣田先生によると、在宅ワークをしていた飼い主さんが、コロナ禍以降は再び頻繁にオフィスに出勤するようになり、お留守番の寂しさから「分離不安」と呼ばれる症状に悩まされるペットが増えたそうです。特に犬の場合は、お留守番の間にもずっと鳴き続けたり、家の中を散らかして“いたずら”してしまうことも少なくないといいます。そんな時に、音楽がペットの心を穏やかに保つ手助けをしてくれる場合もあります。

音楽リスニングがペットにもたらすリラックス効果については、科学的な検証も近年行われるようになり、一定の効果が期待できることも分かってきたそう。廣田先生は、「猫のために作曲された音楽」がストレスを和らげる効果を示したという研究報告が2020年に動物医学界で話題になったと語ります。

ペットがストレスを感じている状態は、緊張時に見せる行動パターンを注意深く観察する方法や、唾液中のストレスホルモン(コルチゾール)値の変遷などにより知ることができると考えられています。これらの方法を併用して、音楽がペットのストレスを一定程度和らげる効果が観察できたそうです。

現時点では、どんな種類の音楽がペットを最も安心させるのか、詳しいところまでは明らかになっていません。それでもやはり、静かでゆったりとしたテンポの音楽がリラックス効果を生みやすいことも、多くのペットの反応から分かるといいます。

Amazon Musicが配信するペットのための音楽プレイリストにも、落ち着いた曲調の楽曲が揃っています。実際に人間が聴いても心地よくリラックスできる選曲だと、筆者も思います。
筆者は、このプレイリストを仕事で集中したい時に聴いています。先日は、飛行機で移動中に聴きました。筆者は、ふだんあまり飛行機の中で眠れないのですが、モバイル版のAmazon Musicアプリにペットのための音楽プレイリストをダウンロードして機内で聴いてみたところ、驚くほどよく眠れました。

廣田先生は「ペットと一緒にくつろぎながら過ごす時間に、BGMとしてプレイリストを活用するのも効果的」だと指摘します。飼い主が落ち着いて音楽を聴いていると、その様子をそばで見ているペットも安心して、よい「空気感」が生まれるからです。

音楽を流す時のボリュームは、静かなカフェで流れるBGM程度の音量がちょうど良いでしょう。ペットがお留守番している最中にプレイリストを再生する場合、音楽をペットに「聴かせる」必要はないようです。廣田先生は、音量は「耳を澄ませば聞こえる程度」に絞ってあげた方がリラックス効果が高まるはず、と話しています。
まずは無料で試せるAmazon Musicで

Amazon Musicの「ペットのための音楽プレイリスト」は、音楽が飼い主さんとペットの双方に寄り添いながら、満ち足りた時間をつくり出してくれる可能性を示しています。

Amazon Musicは、iPhoneとAndroidに対応するモバイルアプリや、PCのブラウザでも気軽に楽しめる音楽配信サービスです。飼い主さんがペットと一緒に自宅で聴く場合は、スマホとBluetoothスピーカーのセットだけで気軽に楽しめます。もし、ペットがお留守番している間に聴かせてあげたい時には、スマホがなくてもホームネットワークに接続して音楽を“流しっぱなし”にできるスマートスピーカーがあると便利です。
Amazon Echoシリーズや、ディスプレイ付きのAmazon Echo Showシリーズが一番好相性です。

あるいは、自宅にWi-Fi機能とAmazon Alexaを内蔵するサウンドバーがあれば、同じように音楽を流しっぱなしにできます。愛するペットたちのために、Amazon Musicをぜひ活用してみてください。

Amazon Musicの「ペットのための音楽プレイリスト」は、Amazon.co.jpのアカウントがあれば、広告付きの無料プランであるAmazon Music Freeから誰でも簡単に楽しめます。

無料プランと、Amazonプライム会員向けの特典として提供されるAmazon Music Primeの場合は、プレイリスト内の楽曲が順不同でシャッフル再生になります。ペットのための音楽プレイリストは、どの楽曲から再生を始めても楽しめる構成になっていますが、もしペットのために自分で楽曲を選んでプレイリストを作ったり、自分のために好きなミュージシャンの楽曲をオンデマンドで聴きたくなったら、月額1,080円で1億曲以上が聴き放題で楽しめる有料プランのAmazon Music Unlimitedの利用もおすすめします。

著者 : 山本敦 やまもとあつし ジャーナリスト兼ライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。独ベルリンで開催されるエレクトロニクスショー「IFA」を毎年取材してきたことから、特に欧州のスマート家電やIoT関連の最新事情に精通。オーディオ・ビジュアル分野にも造詣が深く、ハイレゾから音楽配信、4KやVODまで幅広くカバー。堪能な英語と仏語を生かし、国内から海外までイベントの取材、開発者へのインタビューを数多くこなす。 この著者の記事一覧はこちら
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