『マイクラ』で実写吹き替え初挑戦「殻を破って限界を突破」
映画『マインクラフト/ザ・ムービー』(公開中)で実写映画の吹き替えに初挑戦したモデルで俳優の生見愛瑠にインタビュー。本作での新たな挑戦がどのような経験になったのか、また、自身の声について話を聞いた。世界中で絶大な人気を誇るゲーム『マインクラフト』(通称:マイクラ)を実写映画化。
謎のキューブの力で、すべてが四角形でできた異世界“マイクラワールド”に転送されてしまった4人の仲間たちが、先住転送民のスティーブの力を借りて、四角いモンスターたちを倒しながら冒険に繰り広げる。
生見は、スティーブたちと冒険に挑む、エマ・マイヤーズ演じるナタリー役の吹き替えを担当。「実写吹き替えは初めてで、しかも『マイクラ』という大人気ゲームの作品だったので、プレッシャーはすごくありましたが、挑戦してみたいという前向きな気持ちになりました」とオファーを受けたときの心境を明かす。
「私は普段クリエイティブモードでひたすら自分の好きな家を作っているんですけど、そんなゲームの世界に入れるなんてすごくうれしかったです。どうやって映画化するんだろうと不思議でしたが、(完成した作品を見て)めちゃくちゃ面白くて見入ってしまいました」
ナタリーについては「弟思いの長女で、行動力のあるすごく強い女性」と捉え、「その強さを表現するというのを頑張りました」とアフレコを振り返る。
特に戦うシーンに苦戦したそうで、「ナタリーは戦うシーンがとても多いのですが、私は戦ったことがないので、戦うときの声のバリエーションもわからなくて。現場で音響監督さんとやりとりして、『もうちょっと芯のある感じで』などアドバイスをいただきながら作りました」と明かす。
そして、本作に参加したことで、「殻を破って自分の限界を突破することができました」と新たな境地にたどり着くことができたと語る。
「声だけですべてを表現しないといけなくて、さらにずっと戦っているので声が枯れていくんですが、それもいい味が出るというか、戦っている必死さがリアルに伝わる気がして。自分ってこんな声が出せるんだと思いましたし、限界ってないんだなと思いました」
声での限界突破は、通常の演技にもプラスに。
「どの作品でも毎回限界を突破していますが、声だけでの突破は今回が初めてで、発声についていろいろな発見がありました。野太い声の出し方を学び、声の幅が広がったと思うので、今後の作品にも間違いなく生きると思います」
「もっと高くてかわいい声だったらいいな」と思っていた
また、自身の声について「低めの声だな」と改めて感じたそうで、「低い声がコンプレックスでした」と打ち明ける。「かわいいアニメのキャラクターの声に憧れていたので、もっと高くてかわいい声だったらいいなと思っていました。ナタリーは強い女性で、芯の強さを出すために自分が思っているより低い声で演じたので、この役は低い声でよかったなと思いましたが、普段は高い声に悩むことが多く、明るい声や若い声が出すのが苦手です」
落ち着いた声も生見のリアリティのある演技につながっているように感じるが、自身も作品を重ねていく中で低い声に少し自信が持てたという。
「役によっていろんな声を出しますが、声を褒めていただくことがけっこう多くて。CMなどでも声で気づくと言っていただけることがあるのでうれしいなと。今はもうコンプレックスだとは思っていません」
作品ごとに自分の限界を突破して成長を続けている生見。ファンに向けて「今、いろんなことに挑戦しているので、これからも楽しみにしていただけたらと思います」とメッセージを送り、本作についても「ゲームをやったことがないという方でも楽しめますし、家族愛も友情もあって、笑って泣けるめちゃくちゃ満足度の高い映画になっているので、大切な人と観に行ってほしいです」と魅力をアピールした。
■生見愛瑠
2002年3月6日生まれ、愛知県出身。2012年にモデルデビュー。現在は『CanCam』専属モデル。“めるる”の愛称で親しまれ、『ヒルナンデス!』をはじめ、数々のテレビ番組に出演。2021年に『おしゃれの答えがわからない』で女優デビューにしてドラマ初主演。その後、『恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~』(21)、『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』(22)、『日曜の夜ぐらいは…』(23)、『風間公親-教場0-』(23)、『セクシー田中さん』(23)などに出演し、『くるり~誰が私と恋をした?~』(24)でGP帯連続ドラマ単独初主演。
また、映画『モエカレはオレンジ色』(22)でヒロインを務め、第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。
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