マイナビは5月12日、「介護職白書2024年度版」の結果を発表した。調査は2024年11月7日~12月3日、人材紹介サービス「マイナビ介護職」に登録する介護職の男女976名を対象に、インターネットで行われた。
現在の年収を聞いたところ、52.4%が「年収300万円未満」だった。国税庁(令和5年分 民間給与実態統計調査)によると給与所得者の平均給与は460万円とされているが、介護職では92.6%が年収450万円未満であることが明らかに。また正社員・正職員の平均給与は530万円とされているが、介護職では年収「500万円以上」は4.4%だった。
給与に対する満足度については、6割以上が「満足していない」と回答した一方で、「満足している」人は37.4%と、前年比で5.8pt増加した。
また、2024年度の報酬改定により、「処遇改善加算」の制度が一本化(介護職員等処遇改善加算)され、加算率の引き上げが行われたことを受けて、直近1~2年で勤務していた職場で処遇改善の対応があったかを聞いたところ、60.3%が「あった」と回答。前年(52.2%)に比べ8.1pt増加していることから、給与に対する満足度が前年から上がっていることがわかったが、その理由の1つに処遇改善対応の影響があると考えられる。
東京商工リサーチが行った「2024年『老人福祉・介護事業』の倒産、休廃業・解散調査」によると、2024年の倒産件数は172件(前年比40.9pt増)と過去最多を記録。事業を停止した休廃業・解散も過去最多を更新する612件(前年比20.0pt増)に。これを踏まえて、「職場の経営難・倒産の危機を感じることはありますか?」と尋ねたところ、約3人に1人が「ある」(33.6%)と回答した。
また、深刻な人手不足に対応するために2019年4月1日より介護分野においても在留資格「特定技能」が導入されているが、職場での特定技能外国人の介護職員の増減について聞いたところ、「以前から変わらず在籍していない」(49.9%)は前年(55.2%)より5.3pt減少し、半数に及ばず。一方、「以前は在籍しなかったが、増えている」(13.1%)が前年比の伸び率が最も高いことから、新たに特定技能外国人を雇用する職場が増えていると考えられる。
2025年4月にはこれまで認められていなかった訪問介護においても、一定の条件のもと、外国人介護人材の従事が認められ、特定技能外国人が働ける環境の拡大に伴い、受け入れについても増えていく可能性がある。