ムロツヨシと佐藤二朗が初めてダブル主演を務める福田雄一監督の映画『新解釈・幕末伝』が12月19日公開されることが14日、明らかになった。
今から約150年前、日本の歴史が大きく揺れ動いた"幕末"。
福田監督の劇場公開映画20本目となる記念すべき本作で、初のW主演を務めるのは、これまで数々の福田作品を支えてきたムロツヨシと佐藤二朗。ムロが革命の志士・坂本龍馬を、佐藤が幕末の英雄・西郷隆盛を演じ、これまで多くの作品で描かれてきた英雄たちのイメージを覆して福田監督ならではの視点で物語が描かれる。
先日公開された超特報映像とティザービジュアルでは、英雄たちの威厳を感じさせる重厚な雰囲気と、ムロと佐藤による抜群のコンビネーションから生まれる"福田節"全開のコメディ要素が絶妙に融合。誰も見たことのない、威厳×笑いが交錯する新感覚の幕末エンターテインメントへの期待が高まる。
主演のムロは「新しい2人のカタチができていく、撮影の日々」と語り、佐藤も「僕なりに『解釈』して演じました。もうムチャクチャ震えます」と、これまでのイメージとは異なる役柄への挑戦を語った。福田監督は「この作品はそれが結実した形です」と自信をにじませている。
■ムロツヨシ コメント
あの時、人に会えず、人と直接話せず、そんな時に決めたことがありました。マスクを取って、やっと福田雄一とご飯を食べた時に伝えました。
「僕で一本つくってくれませんか?」福田さんはすぐに答えてくれました。
「つくるよ」そのあと、福田さんはこうも言いました。
「二朗さんと2人の主演でつくろう」私も答えました。
「なんと素敵なカタチだ」すぐに二朗さんに会いに行きました。
二朗さんの行きつけの居酒屋で2人きり。真っ直ぐに伝えました。
「2人で福田組を背負わせてもらえませんか?」二朗さんは丁寧に答えてくれました。
「2人で主演か。それならやろう」
今日ここでご報告できることを嬉しく思います。いつもの福田組の表現を封印する決断をした二朗さんはとんでもなく格好良く。いつもの福田組の表現を全面に出す決断をした私と。新しい2人のカタチができていく、撮影の日々。あの男も参戦してくれました。あの方もあの人も参戦。
■佐藤二朗 コメント
今回が福田監督の劇場公開映画20作目だそうです。そして、僕が福田作品に関わってから、16年の歳月が過ぎたようです。驚きます。アッという間です。アッという間すぎて、「俺、なにも福田作品に貢献できてないんじゃないか」と不安になります。本当に。今まで数多の名優が数多の名作で演じた歴史に名を刻む大人物「西郷隆盛」を今回、演じます。それだけで震える思いですが、震えついでに更に震えようと思い、そして作品名の「新解釈」という部分にあやかって、この歴史に名を刻む大人物を、僕なりに「解釈」して演じました。震えます。
■福田雄一監督 コメント
福田組の風神雷神とか呼ばれてるムロくんと二朗さんですが、僕たち3人は決して馴れ合いの関係ではありません。普段、食事とかしないし、つか、二朗さんに至っては出会ってから今まで1度しかサシで食事したことないです。僕らは撮影の時にだけ会って、その時に、お互いのカードを見せ合う勝負をする関係です。ただ、ヨシヒコ以来、この2人とがっぷり四つで勝負してないなと感じる昨今でした。そろそろ貯めてきたカードをバチバチにぶつけ合いたいと思いました。結果、僕は、喜劇役者という人間の力をまざまざと見せつけられました。出会ってから、ずっと、この2人には「あー、福田、つまらなくなったな」って思われないように頑張ってきたし、2人も僕を笑わせようと勝負してきてくれたのだと思います。この作品はそれが結実した形です。ま、通過点ですけど。
【編集部MEMO】
福田雄一は、1968年7月12日生まれ。56歳。栃木県出身。日本テレワークに入社後、独立してフリーの放送作家に転身する。バラエティ番組『笑っていいとも!』、『SMAP×SMAP』(ともにフジテレビ系)などの構成に携わり、ドラマや映画の脚本・演出なども手掛けることに。2009年には映画『大洗にも星はふるなり』で監督デビュー。以降も数々の映画やドラマ、舞台などを世に送り出している。ムロや佐藤は福田組の常連。