米OpenAIは5月14日(現地時間)、同社の対話型AIサービス「ChatGPT」に新たな大規模言語モデル「GPT-4.1」と「GPT-4.1 mini」を導入することを発表した。ChatGPT Plus、Pro、Teamの加入者向けに展開を開始しており、無料プランでもGPT-4.1 miniが利用可能となる。


同社は4月に「GPT-4.1」ファミリーを発表し、API経由の提供を開始していた。プログラミング支援性能が向上しており、ソフトウェアエンジニアリング・ベンチマーク「SWE-bench Verified」の達成率は54.6%。GPT-4.5の38.0%から大幅に向上し、推論強化型の「o1」(41.0%)や「o3-mini」(49.3%)も上回っている。

ユーザーの指示に対する理解力および指示追従能力も大きく向上しており、複数回にわたる対話の中で過去の発言内容を踏まえた応答を維持する能力も強化された。さらに、最大100万トークンの広大なコンテキストウィンドウを備え、大規模な文書やコードベースの理解、長時間の会話記録の分析といった複雑なタスクにも対応可能となっている。

ただし、今回の導入は歓迎一色ではない。GPT-4.1/4.1 miniの登場により、5月14日時点でChatGPT Plusプランのモデルピッカーには、GPT-4o、o3、o4-mini、o4-mini-high、GPT-4.1、GPT-4.1 mini、GPT-4.5(研究プレビュー)の計7モデルが並ぶこととなった。GPT-4.5の提供は間もなく終了すると見られているが、それでもモデル構成の複雑化は進行している。加えて、OpenAIが一貫したルールでモデル命名を行っていないため、「どのモデルを使うべきかわからない」といったユーザーの声が相次いでいる。

この背景には、大規模言語モデルを活用したAIエージェントが注目を集めていることがある。特にコーディング用途におけるニーズの高まりで、サービス間の競争が激化しており、プログラミング支援を強化したモデルのリリースが相次いでいる。GPT-4.1は、より専門的なコーディングや指示処理を得意とし、用途に応じたユーザーによる使い分けが求められる。


OpenAIはモデル構成の複雑化が多くのユーザーに混乱をもたらしていることを認めており、将来的には次期アップデートとなる「GPT-5」において、GPTシリーズとoシリーズを統合・整理する計画を明らかにしている。
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