マイナビはこのほど、2024年11月28日~12月25日にかけて実施した「マイナビ2026年卒大学生のライフスタイル調査」の結果を元に、その課題や解決策のヒントについて考察。調査結果とともにその内容について紹介している。
○4人に1人が婚姻関係を希望せず
2026年3月卒業見込みの全国の大学生・大学院生1,633名(文系男子217名、文系女子820名、理系男子249名、理系女子347名)を対象に実施した「マイナビ 2026年卒大学生のライフスタイル調査」によると、26年卒学生の結婚観は、「愛する人と結婚して子どもとともに暮らす」が最多の53.5%。「愛する人と結婚し二人で暮らす」(6.7%)、「愛する人と結婚しペットと暮らす」(4.8%)、「結婚はするがそれぞれ別々に気ままに暮らす」(1.7%)を合わせると、将来結婚を考えている学生は66.7%という結果に。
一方、「婚姻関係にこだわらない」は計11.9%、「結婚せずに」という回答は計13.3%となり、約4人に1人(25.2%)が将来婚姻関係を望んでいないことがわかった。
また、何歳で結婚したいかを聞き、直近10年の変化を見てみたところ、「25歳以下」が16.6%となり、17年卒調査(19.4%)より2.8pt減少。他方、「30歳以上」は37.8%となり、17年卒調査(27.9%)から10pt近く増加した。
続いて、「子育て」について聞いた結果を17年卒と26年卒で比較すると、「育児休業を取って子育てしたい」(57.1%)が8.4pt増加、「今のところあまり子どもはほしくない」(17.7%)も10pt以上増加していることが明らかに。育児休業の意向は特に男子で増加幅(+22.4pt)が大きく、子どもを望まない割合は女子(+16.2pt)の方が大きく増加した。
子どもの人数については、「3人以上」(16.8%)が17年卒から8.1pt減少し、平均で2.05人(17年卒:2.2人)という結果に。一方、「子どもはほしくない」と回答した学生にその理由を聞いたところ、「うまく育てられる自信がない」(60.8%)、「経済的に不安」(54.5%)、「自分の時間が無くなる」(51.4%)が上位に挙がった。
同調査の結果を元に、マイナビキャリアリサーチラボ研究員・長谷川洋介氏は次のとおり考察している。
「少子高齢化における出生数の減少は日本の抱える重要な問題の1つですが、次世代を担う大学生にとっては、結婚すること、子どもを持つこと、いずれも人生において必須だという価値観ではないことがわかりました。女性活躍推進法の成立から10年が経ち女性の社会参画が進み、男性の育児休業取得率も徐々に増加しつつあります。
大学生の間でも男女共働き・共育てに関する意識が高まっている一方で、子どもは欲しくないと考える学生は増加し、ほしいと思う子どもの人数も減少しています。ライフイベントについての多様な価値観は認められるべきですが、子どもを持つことを躊躇する理由に『経済的な不安』が挙がることは課題と言えるでしょう。結婚や子育てを望む若い世代が安心して自身の望むビジネスキャリア・ライフキャリアを選択・両立できるような社会づくりが求められていると考えます」
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