中国ハイアールグループ傘下の日本の電機メーカー・アクア(AQUA)は、インバーター式全自動洗濯機「VPシリーズ」を6月12日に発売する。発売に際して6月3日に行われた説明会では、アクア社の商品本部ランドリー企画グループ・松浦ミカ氏から最新新商品の特徴などが紹介された。


○多様なライフスタイルに合わせた洗濯機を開発

新商品の紹介とデモンストレーションが行われた今回の説明会。冒頭、松浦氏は新製品の開発にあたって実施したユーザー調査の結果を紹介した。

過去2年間で洗濯・脱水容量8キロ以上のインバーター全自動洗濯機の購入者に購入の決め手を聞いたアンケートでは、「価格・コストパフォーマンス」「一度に洗濯できる量」「メーカーの信頼性、アフターサービス」が基本ニーズとして上位に挙がったという。

「ドラムに比べて手頃で、ランニングコストが比較的安いこと。一度に洗濯できる量についてもタテ型インバーターは幅広い容量帯で各社が展開されていることから、ニーズに合った洗濯機を自由に選んでいただきやすくなっています」(松浦氏)

洗濯機購入の決め手として続いて挙がってくるのが「自動投入機能」の有無と「洗濯物の出し入れのしやすさ」だ。共働き世帯や高齢者世帯、単身世帯などの増加で、家事の省手間・省時間・節約といった観点が重視されているという。

「また、自動投入機能の不満点には『きちんとした量が投入されているのか不安』『自動投入タンクのお手入れが面倒』『おしゃれ着洗剤が自動投入できない』『洗剤が1種類しか入れられない』『タンク内の残量が分かりにくい』『タンクの容量が小さい』『タンクの補充頻度が高い』といった声があり、さらなる改善ニーズがあると考えました」(松浦氏)

こうした課題を踏まえ、「VP」シリーズは業界初の液体洗剤・柔軟剤・酸素系漂白剤・おしゃれ着洗剤の4剤に対応する第3のタンク「カスタムタンク」を搭載。4つの液剤を組み合わせて利用することでき、自動投入機能によって少ない手間で"洗い分け"を可能にしている。

「汗ばむ夏は黄ばみや黒ずみ、臭い予防に漂白剤、ニットを着る冬場は優しく洗えるオシャレ着洗剤や静電気を抑える柔軟剤など、季節でタンクの中身を入れ替えてお使いいただけます。また、各タンクは750mlの大容量タイプで、同じ種類の洗剤や柔軟剤を2つのタンクに入れておくサブタンク利用によって補充頻度を減らすこともできます」(松浦氏)

○ストレスの軽減と使いやすさを追求したデザイン

「VPシリーズ」のラインナップは、大容量の14キロからボリュームゾーンの8キロまでの5機種。10キロ以下の機種のタンク容量は560mlとコンパクトになっており、液体洗剤と柔軟剤の2つのみとなっている。

手前に引き出すことで自動投入タンクへの液剤の補充がしやすく、残量メモリが見やすいようにLEDバックライトも搭載した。
また、自動投入設定をしているタンクだけが光るため、暗いランドリールームでも設定の間違いの防止にも便利な仕様。タンクを取り外して丸洗いも簡単にできる。

「昨年発売された『まっ直ぐドラム』の新モデルに搭載した『泡フルウォッシュ』を、今回のVPシリーズにも採用しました。空気を含んだ水が自動投入の液体洗剤と混ざり、独自設計の経路を通って、しっかりと泡立てられた高濃度の洗剤液を洗濯槽へ給水します。高濃度の泡と立体水流でしっかりと揉み洗いすることで、スピーディーでパワフルな洗浄を実現しています」(松浦氏)

使いやすさを考えた気配り設計もVPシリーズの特徴だ。洗濯の負担を軽減する洗剤動作や姿勢を実現する「User-friendly Design」、簡単お手入れを実現する「Seamless & Flat Surface」、インテリアに合うデザインと使いやすい操作を実現する「Simple Form & Operation」が、そのデザインコンセプトとなっている。

「バック操作パネルで投入口が大きく、前方を低く薄くしているので洗濯槽に手が届きやすく、洗濯物の出し入れもしやすくなっています。ふたを奥に開けたまま操作でき、透明なガラストップを採用しているため、洗濯の状況や液剤の残量も確認しやすくなっています」(松浦氏)

ふたの周りや操作部、投入口は凹凸が少ないフラットデザイン。手入れがしやすく、半透明の抗菌タイプの糸くずフィルターを採用し、洗濯・脱水容量が14キロと12キロの機種は洗濯槽の底までステンレスするなど清潔性を高めた。

「さらにVPシリーズでは操作パネルを一新し、目線に合うように30度に傾いた設計で、操作性と視認性の向上を図りました。操作部には4つのデジタルディスプレイを備え、各工程の残り時間も分かりやすく表示されます。特に14キロのVP 14は大容量でありながら奥行きを634ミリに抑えており、設置性についても配慮しています」(松浦氏)

6月12日に発売予定の「VPシリーズ」の市場想定価格は「VP14A」が20万9,000円、「VP8A」が13万2,000円。
「超音波洗浄機」を搭載した「VXシリーズ」の新機種となる「VX14A」「VX10A」「VX8A」もVPシリーズと同日発売予定だ。
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