俳優のオダギリジョーが主演・共同プロデューサーを務める映画『夏の砂の上』(7月4日公開)のキャラクターポスター7種と、エモーショナルポスター4種が公開となった。

『夏の砂の上』は、読売文学賞の戯曲・シナリオ賞を受賞した松田正隆氏の戯曲を、玉田真也監督が映画化した作品。
物語は、息子を亡くした喪失感をきっかけに人生が止まってしまった主人公と、妹が置いていった17歳の姪との突然の共同生活からはじまる。愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女……それぞれの痛みと向き合いながら、彼らが夏の砂のように乾き切った心に、小さな希望の芽を見つけていく姿を描き、第27回上海国際映画祭コンペ ティション部門への正式出品が決まっている。

主人公・小浦治は本作で共同プロデューサーも務めるオダギリジョー、治の姪・優子を高石あかり、治の妻・小浦恵子を松たか子、優子の母で治の妹・阿佐子を満島ひかり、優子へ好意を寄せる男性・立山を高橋文哉、治が働いていた造船所の同僚・陣野を森山直太朗、同じく同僚・持田を光石研が演じている。
○キャラクターポスター7種とエモーショナルポスター4種が公開

この度、登場人物たちの心情とリンクするシーンと組み合わせたキャラクターポスター7種が公開された。幼い息子を亡くした喪失感から、抜け殻のようになってしまった治のポスターには、タバコの吸い殻と蝉の亡骸が、父親の愛を知らずに育ち、伯父である治と同居することになった優子の手には、割れた鏡の破片が光を集めている。悲しみを共有しているにもかかわらず、同じ方向を向いて歩みだせない治に苛立ちを募らせる妻・恵子のポスターには、人々の営みが垣間見える長崎の美しい夜景が。また、娘の優子を兄の治に預け博多の男の元へ向かう阿佐子のポスターには、新緑の長崎を走り抜けるタクシー、そして目線の先にはだれがいるのか……。優子のアルバイト先の先輩・立山のポスターには、そっと置かれた麦わら帽子が。恵子と親密な関係にあることに後 ろめたさを感じている治の元同僚の陣野のポスターには、坂道が。また治の元同僚で、今はタクシー運転手として働く持田のポスターには、皆で働いていた造船所が見える長崎の街並みを坂の上からとらえたシーンが組み合わせられ、 それぞれの登場人物たちが抱える「想い」を秘めたキャラクターポスターになっている。併せて、治がカンカン照りの空を仰ぐものや、治と恵子の言い争いを目撃した優子が喪服を着る恵子の着衣を手伝うシーンなど、劇中の心揺さぶられる印象的なシーンを切り取った、エモーショナルポスター4種も公開となった。

○前田敦子、仲野太賀ら各界著名人のコメントも到着

また、本作を一足先に鑑賞した各界著名人からのコメントも到着している。


俳優の仲野太賀は「季節が、街が、人生の機微を象徴しているようだった。すべてを鎮ませる恵みの雨は、渇望する心に一縷の希望を与え、なんてささやかで、美しい、心の繋がり映すんだろうと思いました。素晴らしい映画でした」とコメントし、玉田監督の映画『そばかす』にも出演した女優の前田敦子は「長崎で一夏を過ごした優子の、彼女の無言の笑顔は 全てを物語っている気がしました。玉田さんの作品は本当に胸に響きます」と印象的なシーンを挙げ、長崎出身の漫画家・小玉ユキ氏は「長崎の見慣れた風景のせいか、登場人物の悲しみがリアルに感じられ息が詰まりそうでしたが、あるシーンの圧倒的な解放感にやられました。私はずっと、こういう映画が観たかったんだと思います」と、重厚な人間ドラマに心を動かされたと絶賛のコメントを寄せている。

その他にも、俳優の長井短、マルチタレントの佐伯ポインティ、漫画家の今日マチ子氏に、今泉力哉監督、大森立嗣監督、中野量太監督といった映画人からも絶賛の声が上がっている。

(C)2025 映画『夏の砂の上』製作委員会

【編集部MEMO】
映画の原作となった戯曲『夏の砂の上』は、長崎出身の劇作家・演出家である松田正隆氏によるもの。松田氏の戯曲『紙屋悦子の青春』も映画化されており、2003年公開の映画『美しい夏キリシマ』では、脚本を手がけている。代表を務める京都を拠点とした演劇カンパニー「マレビトの会」の作品は、国内はもとより、海外でも数多く上演されており、その名は世界に知れ渡っている。
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