俳優の綾野剛が主演を務める映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』(6月27日公開)の特別映像が11日、公開された。

同作は、第6回新潮ドキュメント賞を受賞した福田ますみ氏のルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』を原作に三池崇史監督が映画化。
主人公の小学校教諭・薮下誠一(綾野剛)は、児童・氷室拓翔(三浦綺羅)への体罰を理由に母親・氷室律子(柴咲コウ)から告発され、“史上最悪の殺人教師”としてマスコミの標的になったことで日常が崩壊していく。
○綾野剛&亀梨和也、本物の豪雨の中で撮影「亀ちゃんは嵐まで呼んじゃう」

今回公開されたのは、本編映像に加えメイキングやインタビューなどが収録された特別映像。

14年ぶりの共演にも関わらず「昨日会った?というテンションで会えちゃう」という綾野と「不思議だよね」としつつも笑顔で同意する亀梨の2人が、「誇りに思う」「素敵な思い出」と口を揃えて振り返るのは、2人が豪雨の中での対峙するシーン。

映像では、自身への疑いを晴らすために、証言を得ようと保護者宅のインターホンに向かって「お願いします!」と何度も頼み込む薮下と、それを待ち構えていたかのように薮下にフラッシュを浴びせる鳴海の姿が映し出される。マスコミの報道で極限まで追い詰められた薮下は、雨の中傘も差さずに鳴海の胸ぐらを掴み、感情を爆発させながら自分の思いを訴える。

実は同シーンは人口的に雨を降らせているのではなく、本物の豪雨の中で撮影。テスト段階では晴天だった天候が、本番直前で急に豪雨になったそう。同シーンについて、綾野は「亀ちゃんは嵐まで呼んじゃうから! 本当に強烈だった」と笑い、亀梨も「それは剛くんでしょ! すごいですよ。最初は(スタッフによる)雨降らしだったのにリアル雨ですから。一瞬、10分くらい一気に」と続ける。

さらに亀梨が「傘も(足元に)置いておかないといけないのに風がすごいからギリギリまで剛くんが押さえていて。で、(本番が)終わった後パーン! と晴れて『嘘でしょ!?』って」と目を大きくしながら語ると、綾野も「普通に見たらスタッフさん降らせすぎって思うくらいの。
(あまりに強い風と突然の豪雨に)脅威さえ感じた」と興奮気味に振り返った。

全身がずぶ濡れになり、気力も体力もすり減るような過酷な1日だったが、改めてこの日の撮影について亀梨は「シーンとすごくリンクしていて、素敵な思い出になっています」と回顧。綾野も「とても豊かでしたし一緒にできて幸せでしたし、このシーンを亀ちゃんと立ち向かえたことをすごく誇りに思うというか。自分の俳優人生の中でとても大事なプロセスになりました」と満足そうに話している。

また、綾野と亀梨が一緒にインタビューを受けるのはこのとが初。綾野は初めての共演について「自分の至らない芝居を真正面で受けてくれたんです。初めて共演者の人に認めてもらえたというような、すごくそれが残っていて支えになっているんです」とエピソード明かし、14年が経ち、2回目の共演となった今作では「今回また現場でこういう形で再会して、お互いの成長を確かめるようにすごく丁寧に作っていけた」と語る。

さらに、「僕の方が年齢は上なんですけど、面倒見のいい兄貴肌」と亀梨を表現。亀梨も「お芝居の向き合い方をすごく悩んでいた時期にアツく語ったときがあって。それがすごく印象に残っていて、俳優業をやる上の恩人的な人」と信頼を口にした。

【編集部MEMO】
映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』のキャスト発表に際し、週刊春報の記者・鳴海三千彦を演じた亀梨和也は、「今回、再び三池組に参加することができ、とても嬉しかったです。それと同時に綾野剛くんと久しぶりに共演させていただき、非常に刺激的な現場になりました。
台本を読ませていただき、人と人との関わりの難しさ、そして繋がりの素晴らしさについて深く考えさせられました。今回演じさせていただいた役は、物語の流れを大きくする重要な存在です。初めて演じる職業。僕自身も様々な思考が交差する難しい役どころでしたが、集中して取り組みました。ぜひ劇場に足を運んでいただき、なにかを感じ取って繋がって帰っていただけら嬉しく思います。 」とコメントを寄せていた。
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