LIFULLは6月17日、1都3県における中古マンションの「修繕積立金・管理費」動向調査の結果を発表した。調査は2010年1月~2025年5月、同社が運営する「LIFULL HOME'S」に掲載された中古マンションを対象に行われた。

○築年数による差異

2025年1-5月の間にLIFULL HOME'Sに掲載された中古マンションの平均修繕積立金と平均管理費(いずれも月額・60m2換算)を築年数別で見ると、修繕積立金は1都3県いずれにおいても築16-20年が最も高くなった。

管理費は、1都3県いずれにおいても築0-5年が最高値、反対に築21-25年、築41-45年が安くなっている。

修繕積立金と管理費の総額の最高値は東京・神奈川が築31-35年、埼玉・千葉が築26-30年と、いずれも築30年前後になった。

○エリアによる差異

2025年1-5月の間に掲載された築11-20年の中古マンションの平均修繕積立金と平均管理費(いずれも60㎡換算)をエリア別に確認した。

修繕積立金は、1都3県比較においては東京都が最も高く平均年額は167,200円、その後に神奈川県(157,693円)、埼玉県(156,761円)、千葉県(148,350円)と続いた。また、東京23区・政令指定都市とその他での比較では東京23区・政令指定都市の平均年額は166,031円だったのに対し、その他のエリアでは154,761円となった。平均物件価格が高いエリアほど修繕積立金が高い傾向となっており、ハイスペックな高価格物件が多い結果として当然の流れと言えそうだ。

一方で、年額/物件価格で見たところ、東京都は0.2%だったのに対し千葉県は0.5%、東京23区・政令指定都市は0.2%だったのに対しその他のエリアでは0.5%と郊外の方が物件価格に対する修繕積立金の負担割合が大きくなった。

管理費においても1都3県比較では東京都(年額171,715円)が最も高く、東京23区・政令指定都市とその他比較では東京23区・政令指定都市(年額166,436円)の方が高くなった。年額/物件価格で見ても修繕積立金と傾向は同じで、郊外の方が負担割合が大きくなっている。

上記よりマンション購入の際は物件価格ばかりに目が行きがちだが、ランニングコストである修繕積立金や管理費についても確認しないと、思わぬ負担を強いられる可能性がありそうだ。

○時間軸による変化

各年(2010年・2015年・2020年・2025年)に掲載された築11-20年の中古マンションの平均修繕積立金と平均管理費(いずれも月額・60m2換算)を確認した。


修繕積立金は、1都3県いずれにおいても漸増となっており、2025年に掲載された築11-20年物件の平均修繕積立金は15年前(2010年)と比べて月額3,881-5,023円の上昇となっている。

一方、平均管理費は2010年が最も高く、2015年には大きく下落、その後再び上昇基調となっている。平均修繕積立金・平均管理費ともに近年増額傾向となっている。
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