「素晴らしい芸術を発信していきたい」 ピアノ練習など影の努力も明かす
X JAPANのリーダーで作詞家・作曲家として活躍しているYOSHIKI。ボーイズグループ・XYに続き、自身がプロデュースを手掛ける4人組ガールズボーカルグループ・美麗-Bi-ray-が6月20日に「Butterfly」を配信リリースし、デビューを果たした。YOSHIKIにインタビューし、プロデュース業など今の活動に対する思いや今後について話を聞いた。――精力的にプロデュース業を行われている印象ですが、プロデュース業への思いをお聞かせください。
素晴らしいアーティストとの出会いに恵まれることがあり、そうした流れでプロデュースをさせていただいています。自分でもいろいろやっているので、ちゃんと一つ一つ頑張らなければいけないなと思っています。自分としては、素晴らしい芸術を作って、その芸術がいろんな人たちの力になればいいなと。アーティストとして、時にはプロデューサーとして、才能あるアーティストたちと一緒に築き上げていくのが好きです。
――自分が表に立つだけでなく、とにかく芸術として素晴らしいと思うものを世の中に届けたいという思いが原動力になっているのでしょうか。
そうですね。芸術が好きなので、素晴らしい芸術を発信していきたいという思いがあります。
――若手のグループを手掛けられているのは、後輩たちにYOSHIKIさんの思いを受け継ぎたいという思いもあるのかなと想像したのですが、いかがでしょうか?
どうでしょう(笑)。でも、僕みたいな生き方をしていたら倒れてしまうので、みんなには健康を大事にしてもらいたいです。健康第一だと思います。僕に言われたくないと思いますが(笑)
――ご自身の経験から美麗-Bi-ray-の皆さんにアドバイスを送るとしたら?
みんな素晴らしい才能を持ってこの世に生まれてきた存在だと思います。
ただ、世の中には才能を持って生まれても、それを発揮できないまま人生を終える人もたくさんいる。才能を持っていることは間違いないので、努力して、そして、グループなので、お互い助け合って頑張ってもらいたいです。僕もできる限り貢献したいと思います。
――成功の鍵は努力だと感じていますか?
そうですね。よく「YOSHIKIはロックスターの生活をしているんでしょ?」と言われますが、基本的には地道にピアノを練習したり、作曲したり、語学の勉強をしたり、一生懸命頑張っています。
――日々ピアノの練習をされているのですね。
今日もピアノのレッスンが入っています。先生についていただいて。難解なピアノ協奏曲を今練習していて、達成するのにあと1年ぐらいかかると思いますが、合間を縫って練習しています。
――新しいものを吸収して表現の幅を広げていきたいという思いでしょうか。
アーティスト人生は終わりなき旅というか、一番のゴールは素晴らしい芸術を作り上げて、それに誰かが感動してくれて、誰かの支えになってくれることかなと、長年やってきてやっと気づき始めました。そのために新しいことにも挑戦していきたいなと。
若い頃はよくわからず突っ走っていましたが。
――誰かのためにという思いが芽生えたきっかけを教えてください。
海外に出てからですね。日本にいた頃は、武道館や東京ドームといった目標が順調に叶いすぎて、大きなことでも、言えば必ず成し遂げていたという感じでしたが、「世界進出だ!」と意気込んで海外に行ったものの、そこには世界中から自分と同じような人たちが集まってくるので、その道は険しくて。挫折して何のために音楽をやっているのだろうと思った時に、自分のためでもあるけれど、誰かを救うことができるという気持ちを持っていると、前に向かっていけるなと思いました。僕も挫折を何度も繰り返しながら、倒れては立ち上がってここまで来ました。
3度目の首の手術経て「健康に気をつけるように」 生活スタイルも変化
――米を代表する国際的ニュース誌『TIME』による2025年「TIME100(世界で最も影響力のある100人)」に選出されるなど世界での注目度がさらに高まっていますが、今後の活動についてどのように考えているかお聞かせください。昨年10月に3度目の首の手術が終わって半年以上経ちますが、リハビリをしながら、美麗-Bi-ray-のプロデュース活動を優先しつつ、いろんな楽曲を作曲したり、新しい映画のプロジェクトを立ち上げたり、ファッションのことなど、いろいろやっています。音楽に関しては、美麗-Bi-ray-のためにも何曲か作りました。毎日たくさん作曲していて、僕は楽譜に書くので、どこにいても作曲できるので、車の中でも飛行機の中でも作曲しています。
――作曲の意欲がどんどん増しているのでしょうか。
最近増しています。
美麗-Bi-ray-のみんなとレコーディングしていると、みんな声が素晴らしくて、こういう楽曲が表現できるアーティストがいるんだと思うと、挑戦したくなるんです。今の目標のひとつは、美麗-Bi-ray-の素晴らしいデビュー、そして、いかに世界に通ずるアーティストになってもらうかということです。
――YOSHIKIさんに作曲したいと思わせる美麗-Bi-ray-さんの才能はすごいですね。
そうですね。僕はあまり曲を出さないと世の中に言われていますが、打率はいいんです。バッターボックスにはあまり立たないですが、立ったら打つみたいな(笑)。今は美麗-Bi-ray-のおかげで作りたいという思いにさせてもらっています。
――プロデューサーとしてやる気に満ちあふれていらっしゃいますが、ご自身が表に立つ音楽活動については、今後どのように思い描いていますか?
それもいろいろ動いています。僕はクラシックもロックもポップもやりますし、基本的にほぼ全ジャンルやるので。いろいろコラボレーションの話もいただいていて、すごく光栄ですが、とにかく忙しいです(笑)
――YOSHIKIさんといえば全力姿勢の印象ですが、それは今後も変わらないですか?
昔はブレーキがなかったですが、最近は少しブレーキをかけるようになり、生活も太陽を見られるような生活スタイルに変えました。お医者さんに「深夜3時までには寝て、できれば朝8時に起きるように」と言われているので、今も夜型ですが、これまでみたいな深い夜型ではないです。
――健康への意識が高まっているのですね。
これまではあまり健康を気にしてこなかったので。良いステージにするためにコンサート前は体調管理をしていましたが、作曲しているときはかなり無茶な生活をしていたので、なるべく健康に気をつけるようになりました。昨年3回目の首の手術をしたので、今年に入ってからは飛行機移動を意図的に減らしたり、飛行機の中ではできるだけ仕事はしないようにしたり。体も大事にしながら頑張っていけたらと思います。
■YOSHIKI
作詞家・作曲家、X JAPANとTHE LAST ROCKSTARSのリーダーでピアノ・ドラム担当。これまでに天皇陛下御即位十年記念式典の奉祝曲、愛知万博公式イメージソング、ハリウッド映画のテーマソング、米ゴールデングローブ賞公式テーマソングを作曲するなどグローバルに活動。音楽活動以外にも、映画『YOSHIKI: UNDER THE SKY』の監督、自身がデザイナーを務める着物ブランド「YOSHIKIMONO」や、ハイファッションブランド「MAISON YOSHIKI PARIS」の立ち上げ、ワインブランド「Y by YOSHIKI」やシャンパーニュのプロデュースなど多方面で活動。また、米国“501(C)(3)” 非営利公益法人 Yoshiki Foundation Americaを設立し、長きに渡り慈善活動にも取り組んでおり、2025年版 米『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人(TIME100)」に選出。日本人ミュージシャンとしては史上初となる快挙を成し遂げた。
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