映画『夏の砂の上』、今日マチ子と小玉ユキの描き下ろしポスターが公開

俳優のオダギリジョーが主演・共同プロデューサーを務める映画『夏の砂の上』(7月4日公開)の新たなポスタービジュアル2点が公開となった。これらは、漫画家の今日マチ子氏と小玉ユキ氏が描いた作品をキービジュアルに使用している。

『夏の砂の上』は、読売文学賞の戯曲・シナリオ賞を受賞した松田正隆氏の戯曲を、玉田真也監督が映画化した作品。物語は、息子を亡くした喪失感をきっかけに人生が止まってしまった主人公と、妹が置いていった17歳の姪との突然の共同生活からはじまる。愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女……それぞれの痛みと向き合いながら、彼らが夏の砂のように乾き切った心に、小さな希望の芽を見つけていく姿を描き、第27回上海国際映画祭コンペティション部門では、審査員特別賞を受賞した。

主人公・小浦治は本作で共同プロデューサーも務めるオダギリジョー、治の姪・優子を高石あかり、治の妻・小浦恵子を松たか子、優子の母で治の妹・阿佐子を満島ひかり、優子へ好意を寄せる男性・立山を高橋文哉、治が働いていた造船所の同僚・陣野を森山直太朗、同じく同僚・持田を光石研が演じている。

この度、漫画家の今日マチ子氏と小玉ユキ氏、それぞれが描いた作品をキービジュアルに据えた新たなポスターが公開となった。

今日マチ子氏が手がけた作品には、英語タイトル"ON SUMMER SAND"と記載され、青を基調とした柔らかなタッチで描かれた人物は、主人公の治と、治の姪である優子が向き合う映画の印象的なクライマックスシーンの一部から切り取られている。言葉にならない2人の感情がじんわりと浮かび上がってくるような、心に沁みこむ一枚に仕上がった。

⻑崎出身の小玉ユキ氏によるイラストは、長崎の代名詞でもあり、本作の物語で重要な役割を担っている「坂」 を軸に、治と恵子の夫婦、そして、優子と優子に思いを寄せる立山が描かれている。それぞれの目線はすれ違い、複雑な感情を抱えた人々の人間模様を想起させる仕上がりになっている。

(C)2025 映画『夏の砂の上』製作委員会

【編集部MEMO】
映画の原作となった戯曲『夏の砂の上』は、長崎出身の劇作家・演出家である松田正隆氏によるもの。松田氏の戯曲『紙屋悦子の青春』も映画化されており、2003年公開の映画『美しい夏キリシマ』では、脚本を手がけている。代表を務める京都を拠点とした演劇カンパニー「マレビトの会」の作品は、国内はもとより、海外でも数多く上演されており、その名は世界に知れ渡っている。