Uberにとって5回目となる年次プロダクト発表イベント「Go-Get 2025」がこのほど、米国ニューヨークで開催されました。このイベントは、Uberの各種サービス(乗車やUber Eatsでの食事、食品、小売店の商品など)がよりお得に利用できる、最先端の製品や機能を発表するものです。
今回は、同イベントから、Uberが提供する最新のサービスをご紹介します。

「Go-Get 2025」のテーマは"節約とお得"

「Go-Get」は2021年、パンデミックへの対応や進化する製品のストーリーをメディアに広めるために始まりました。それ以降、Uberの戦略や新しい製品を発表する場として、メディアから好評を博すイベントとなっているそうです。

Go-Get 2025のテーマは"Saving & Affordability"(節約とお得)。物価高騰の中、日常生活でUberを利用してお得に節約できる製品や機能がメインに発表されます。

Go-Get 2025の冒頭、Uberのチーフプロダクトオフィサーであるサチン・カンサル氏は、「個々のユーザーが抱える問題を見逃さないよう、実際に自社のサービスを利用したり、自らがUberの運転手兼宅配便業者になったりします」と述べました。

そこで気付いたのは、「多くの人はUberのサービスを利用することを『贅沢だ』と感じているけれど、実際、彼らにとってUberは日々の生活に欠かせないものである」ということだそう。たとえば、毎日仕事へ行く人の中には、車を持たない人や、近くに交通機関の停留所がない人もいます。彼らの多くはシフトに従って時間通りに通勤する必要があるため、Uberを利用しているのです。

また、Uberは大人だけのものでなく、子どもが安全に旅行に行くのに利用されることもあります。それに、Uberには高齢者向けのサービスもあり、その利用状況を家族が把握できる機能もあります。

このようにUberはさまざまなシーンで利用されていますが、サチン・カンサルは最近、「生活がとにかく大変だ。
複雑すぎて、不安定で、何より物価が高すぎる」という声を耳にするそうです。こうしたユーザーの声に耳を傾け、Uberは毎日の移動や買い物、食事をもっと手軽に、もっとお得にする実用的な機能の開発に取り組んでいるのだそうです。

Go-Get 2025 では、通勤や買い出しなど日常のさまざまなシーンで活躍する以下のような機能が発表されました。

1.Commute Alerts & Hub

「Commute Alerts & Hub」は、渋滞状況や天候、イベントに関わらず、ストレスなくいつも時間通りに通勤したい人に向けたサービス。 AIが配車の最適なリクエストタイミングを知らせてくれます。自宅と職場を登録するだけで、リアルタイム価格やドライバー状況、過去の傾向に基づいた通知が届いて便利。この夏には、アプリ内の「通勤ハブ」にこれらのツールが統合され、さらに使いやすくなるとのことです。

対象エリアは米国の一部都市。

2.Ride Passes

「Ride Passes」は、通勤や通学、ジム通いなど、毎日行く場所が決まっている人にぴったりのサービスで、2つの新しい割引プランが用意されています。

(1)Price Lock Pass(価格固定パス)
月額$2.99でルートごとの料金を固定しているプランです。 交通状況や天候に関係なく、月最大$50まで節約可能。1時間の乗車ウィンドウ内で、最大10ルートを設定できます。


(2)Prepaid Pass(前払いパス)
特定ルートで5回、10回、15回、20回分をまとめて購入することでさらにお得になるプランです。購入数が多いほど割引率はアップします。この夏より提供を開始し、今後はティーンアカウントでも利用可能となり、保護者の送迎負担軽減にもつながります。

対象エリアは、Pシカゴ、ダラス、ヒューストン、ラスベガス、マイアミ、ナッシュビル、オーランド、フェニックス、サンフランシスコ、ワシントンD.C. の各都市。今後、米国全土およびブラジルにも順次拡大予定。

3.Route Share

「Route Share」は、同じ地域に住む人の行動パターンに類似点が多いことを生かした、Uber史上最もお手頃な新しいライドサービスです。「Route Share」は、利用者に決められた地点まで歩いてもらい、複数の乗客と乗車をシェアすることで、料金の節約を可能にしています。

平日朝夕の通勤ラッシュ時に20分間隔で運行しており、最大2名まで同乗が可能。UberXの最大50%オフの料金で利用できます。企業の通勤補助制度と連携する計画も進行中です。

対象エリアは、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴ、フィラデルフィア、ダラス、ボストン、ボルチモアで、今後さらに対応都市が追加される予定。
日々の食事代が節約できる機能や自動運転サービスも

4.Uber Eats Savings Slider

予算内で買い物をしたいけれど、ついついオーバーしてしまう。
そんな悩みを解決するのが「Uber Eats Saving Slider」です。食料品の買い物リストを作成すると、同一店舗や近隣店舗の価格を自動比較し、より安価な代替品を提案します。

スライダーを動かすだけで、よりお得な商品を簡単に確認・選択可能。最安値をすぐに見つけられるため、夕食やお弁当の準備も、支出を抑えながら効率的に行えます。

展開エリアは、米国とカナダ。今後グローバルに展開予定。

5.Dine Out

「Dine Out」はデリバリー派も、外食派も、両方楽しめる新機能です。これは、Uber Eatsアプリから、レストランでの店内飲食のお得なクーポンやプロモーションが検索できるというものです。

OpenTableとの連携で、米国・カナダ・メキシコ・英国・アイルランド・オーストラリアでは、Uber Eatsアプリ内からOpenTable経由で予約可能に。Uber One会員は人気レストランの優先テーブルにアクセスできます。今後、OpenTableのVIPポイントとの連携も予定しています。

展開エリアは、オーストラリア・シドニー。
今秋に他エリアに展開予定。

6.Uber One メンバーデー

Uberのメンバーシッププログラム「Uber One」は、インフレが進む現代における最強の節約サービス。配達無料、最大10%オフ、乗車で6%のポイント還元などがすでにありますが、今回はさらに以下のような特典が拡充しました。

・Uber Rent(※Turo含む)やLimeでの乗車でも10%分のクレジット還元

・初の「Uber One メンバーデー」を開催(5月16日~23日、日本は5月29日まで開催されていました)
… メンバー限定で、1週間にわたり最大規模の割引・特典を提供
例: UberXシェアライドが50%オフ、Uber Blackが20%オフ、Comfort Electricが40%オフなど

その他、「Uber One メンバーデー」では、スターバックスでの注文が30%オフ、コストコでは最大20%オフなど、数万ものサービスが受けられました。「Uber One」は1ヶ月無料で利用できるそうです。

展開エリアは、全メンバーシップ対応国・地域。

※Turo: 近くで誰かの車をレンタルできるサービス

7.Shared Autonomous Rides

未来の移動手段は、「Electric・Share・Autonomous (電気・シェア・自動運転)」がキーワード。そのすべてを融合した新サービスが始まります。Volkswagenと提携した初の「Shared Autonomous Rides」は、2026年初頭からロサンゼルスで開始予定です。

このサービスには完全電動・完全自動運転の「ID. Buzz AD」が登場し、環境に優しく、安全で手頃な次世代の移動手段を、より多くの人へ届けていくことを目標としています。

展開エリアは、米国・ロサンゼルス。

いかがでしたでしょうか。
日本で今すぐ実用化されるというものではないかもしれませんが、世界に目を向けると驚くようなサービスが展開されようとしています。今後もUberが提供するワクワクするようなテクノロジーから目が離せません。

※サービスの開始日・対象地域は変更となる可能性があります。
※対象エリアは発表時5月14日時点のものです。

武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら
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