LASSICは6月30日、「リモートワークと貯金」についての調査結果を発表した。調査は2025年4月8日~4月16日、20歳~65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1003名を対象にインターネットで行われた。
○リモートワークで貯金は増えた?
コロナ禍によって多くのビジネスパーソンが「リモートワーク」を経験したが、昨今は出社回帰の流れが強く、再びフル出社となっている人も多いかと思われる。一方で、約20%はフルリモートでの勤務を継続していると言われており、フル出社に戻った人と比較して、貯蓄できる金額が働き方によって変化するのかは興味ところだ。
今回、約1,000人のビジネスパーソンにアンケートを取得したところ、フルリモートは18%と、一般的に言われている割合と近い結果になった。
「リモートワークをするようになって、貯金は増えましたか?」という質問では、約半数から8割が「変わらない」との回答だったが、「増えた」と回答した人の中では、出社の割合と貯金額は連動しているように見える。特に「100万円以上増えた」と回答した人は、フル出社から週4出社、週3、週2、フルリモートと、リモートワークで働く日が増えるごとに割合が右肩上がりに増えている。その他の項目も「フル出社」の人は総じて「増えた」と回答した人が少なく、なかなか貯金ができないワークスタイルなのかもしれない。
フルリモートは副収入が多い?
「100万円以上増えた」と回答した人の、フルリモートとフル出社の人で開きがどこから来ているのか、両者の理由を具体的に見ていく。
いくつかの項目で差が見られるが、リモートワークならではの項目として着目したのが、「副業やアルバイトの収入」。フル出社よりフルリモートのほうが多いという結果となった。在宅のほうが時間的にも物理的にも副業・アルバイトをしやすいと言われているため、「やはり」という結果かもしれない。
総務省統計局の調べでは、首都圏の平均通勤時間は往復で1時間40分。月で約33時間、年間だと約400時間になる。
この時間を副業やアルバイトに利用すると、ITエンジニアの場合は、一般相場の最低3,000円という時給でも単純計算で年間120万円という収入が得られるため、フルリモートで浮いた時間を副業や資格取得といったスキルアップに充てて大きく収入を増やす人がいるのかもしれない。
○フル出社は節約が難しい?
「節約の成功」と回答した人もフルリモートのほうが多く、その他と回答した人のコメントにも「外食しなくなった」「ランチを買わなくなった」といった意見が多く見られた。出勤すれば、ランチや飲み会に加えて、息抜きにと訪れたコンビニなどでのちょっとした出費までが日々積み重なって貯金できる余力がなくなるのかもしれない。一方で、リモートワークの場合は自炊ができたり、気軽にコンビニへ出かけたりしなくなったりと、支出を減らせた人が多かったのかもしれない。
○医療費負担の大きいリモートワーク
意外な項目として、「医療費の発生」を選択した人の割合にも注目できる。こちらもフルリモート勤務のほうが多く、「リモートワークは病気になりやすい?」と思われるかもしれないが、「出社より在宅のほうが病院に通いやすい」とも考えられる。出社が前提の働き方だと、多少の体調不良を抱えていてもなかなか病院に立ち寄れない、あるいは「無理しても出社するぞ」と気丈になりがち。一方でフルリモートの場合は、通勤時間がなく、勤務時間も融通が効くケースが多いようで、体調に不安があるときは、気軽に医療機関を受診しやすいというメリットがあるのかもしれない。
編集部おすすめ