英Nothingは7月1日、同社初のオーバーヘッド型ヘッドホン「Headphone (1)」を発表した。アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載し、価格は299USドル。
デザイン性に優れたスマートフォンで知られるNothingがオーバーヘッド型ヘッドホン市場に参入するにあたり、問われるのは音作りの技術である。Headphone (1)では、高級オーディオ機器メーカーである英KEFと提携し、KEFの音響ノウハウとNothingの先鋭的なデザインを融合させた。
40mm径のダイナミックドライバーを搭載し、KEFのアコースティックダンピング技術を活用することで、明瞭かつ低域がブレない音質を実現している。KEFは、音の定位感(音がどこから聞こえるかの感覚)に優れたスピーカーユニット技術で知られる。Headphone (1)のドライバー、チューニング、音響構造は、KEFの専用リスニングルームにて厳格な審査と微調整を経て設計され、精密で自然なKEF独自の音響体験を再現しているという。
Headphone (1)は、Nothingがこれまで展開してきたスマートフォンやワイヤレスイヤホンと同様、半透明のパーツを用いた「レトロ・フューチャー」的なデザインを採用している。
操作系はタッチ操作を排除し、物理的な機構によりシンプルかつ確実な操作を可能としている。右耳側にはラバー仕上げのホイール型ボリューム調整機構「ローラー」を搭載する。回転で音量調節、押下で再生・一時停止、長押しでノイズキャンセリング・外音取り込み・オフの3モードを切り替えられる。また、「パドル」と呼ばれるスイッチを前後に操作することで、曲送り・曲戻し・早送り・巻き戻しなどの操作が可能である。さらに、右耳カップの右上にカスタマイズ可能なボタンを備える。
4つのマイクとAIを活用した「クリア・ボイス・テクノロジー」が搭載されており、ユーザーの声を効果的に分離しつつ周囲の雑音を低減する。空間オーディオにも対応し、頭の動きに応じて音の定位が変化する「ヘッドトラッキング」により、立体音響体験が可能となっている。
対応コーデックはLDAC、AAC、SBC。3.5mmヘッドホンケーブルによる有線接続に加え、USB Type-Cを用いたロスレス接続にも対応する。また、24bit/96kHzでのワイヤレスハイレゾ再生が可能な「Hi-Res Wireless」認証も取得している。
Bluetooth接続では、2台のデバイスとの同時接続(マルチポイント接続)をサポートし、Google Fast PairおよびMicrosoft Swift Pairにも対応している。
再生時間は、ANC使用時で最長35時間、ANCオフ時には最大80時間の連続再生が可能である。さらに、5分間の充電で最大5時間の再生が可能な高速充電にも対応している。











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