米Perplexityは7月1日(現地時間)、新たなサブスクリプションプラン「Perplexity Max」の提供を開始した。料金は月額200ドル。
利用できるAIモデルや機能、パワーユースという点においてEnterprise Proプランを上回る、現時点で最も高機能な最上位サービスである。

Perplexity Maxは、主に研究者やビジネスプロフェッショナル、コンテンツ制作者など、日常的に高度な分析やAI支援による業務を必要とするパワーユーザーを対象としている。

特長の一つが、月額20ドルのProプランで制限付きで提供されている「Labs」の無制限利用である。Labsは、スプレッドシートやダッシュボード、プレゼンテーション資料、さらには簡易的なウェブアプリケーションまで生成可能な高度なツール群である。ユーザーはLabsを活用して、大量のデータを視覚化したり、要約・分析レポートの自動生成といった高度な作業の効率化を図れる。

また、Maxの加入者には「OpenAI o3-pro」や「Claude Opus 4」といった高度なAIモデルへのアクセスが含まれる。これらのモデルは、プロフェッショナルのより複雑な推論やタスクの実行、高度なコンテンツ生成のニーズに応える。PerplexityはMaxユーザーの技術的なトラブルや問い合わせに対し、通常よりも優先的なサポートを提供する。

Maxユーザーには新機能への「早期アクセス」も提供される。具体的には、同社が開発中のAI統合型ウェブブラウザ「Comet」への先行アクセス権が付与される。Cometは「リサーチや情報収集へのAI活用」を前提に設計されており、ブラウザにPerplexityが深く統合されている。ホーム画面、新規タブ、アドレスバー、コンテキストメニュー、サイドバーなど、至るところからPerplexityを利用でき、Perplexityとの対話とAI検索を通じてネットを利用するブラウザとなっている。


Cometのほかにも、今後追加される予定の外部プレミアムデータソースや、他社との提携による付加価値サービスも、Max加入者向けに優先的に展開される予定である。

今回のPerplexity Maxの追加は、近年の生成AI業界における「ハイエンド有料プラン」の流れを象徴している。OpenAIが2024年に月額200ドルの「ChatGPT Pro」プランを開始したのを皮切りに、GoogleやAnthropicなどもプレミアムプランを投入している。これらの動きは、生成AI技術が特定のプロフェッショナル層にとって不可欠なツールとなりつつあり、より高度な業務支援への需要が高まっていることを示す。

現在、Perplexity Maxは一般ユーザー向けにWebおよびiOSアプリで提供されているが、今後は企業向けのEnterprise Maxプランも提供予定である。チーム管理機能や内部ナレッジベースとの連携機能などを備えた高度な業務用途に対応する見込みだ。

なお、従来のPro(月額20ドル)およびEnterprise Pro(1ユーザーあたり月額40ドル)のプランも引き続き利用可能であり、「ほとんどの一般的なニーズにはこれらで十分対応できる」としている。
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