一般家庭のプリンターも推し活アイテム作りに大活躍

ファッション・食品・美容など、幅広いライフスタイル関連製品が一同に集まる総合展示会「ライフスタイルWeek」が、7月2日から7月4日まで開催されています。その中の専門展のひとつ、推し活グッズや関連サービスをテーマにした「推し活EXPO」にエプソン販売がブースを出展。推し活を盛り上げるさまざまなサービス・ソリューションを紹介していました。


○まずは基本のカードやシールの印刷。アプリには推し活テンプレートも収録

同社のブースで最初に見せてもらったのは、「Epson Creative Print」アプリとエプソンのプリンターを利用してさまざまなカードをプリントするデモンストレーションでした。エプソンの家庭用プリンターでは、サードパーティ各社から発売されているサイズも質感もさまざまなラベルシールやカードタイプの用紙にきれいに印刷ができます。「Epson Creative Print」アプリには推し活用としてさまざまなデザインパターンが収録されており、これを利用すれば誰でも簡単に推し活グッズが作れてしまいます。

透明なフィルムにイラストや写真を印刷してペンライトに入れたり、うちわやサインボードを作ったりと、プリンターが活躍する場面はたくさんあります。ただし、A4サイズのプリンターの中にはカードサイズに対応しておらず、L判サイズからの印刷になってしまうものもあるとのこと。逆に、フォトプリンターならばカードサイズの印刷はお手のものですが、大きいサインボードの印刷は難しいでしょう。ブースには、大きいイラストを分割してプリントしたものを継ぎ足して表面に貼り合わせた“推しスノボ”のサンプルも飾ってありました。

○LINEアプリからの出力でセルフフォトブースを簡単に実現

次に見せてもらったのは、LINEアプリにプリンターをお友達登録し、トーク画面に写真を送るだけでプリントを行える「LINE de 思い出プリント」。イベントでセルフフォトブースとして利用することを想定した体験コーナーとなっていました。

イベントの盛り上げにもプリンターを活用

○イベントの空き時間を盛り上げる「デジタルアイテム抽選」

家庭用プリンターを使うイベント盛り上げ例としては、「デジタルアイテム抽選」というサービスも参考出展されていました。これは、会場からのみアクセス可能なアプリで、抽選によりイベント限定画像をゲットし、それをデコレーションしてブースに持ち込み、プリントできるというサービスです。

推し活イベントの際、限定グッズ購入のために早めに会場入りすると、イベント開始までの時間を持て余してしまう……というシチュエーションはよくあります。
そんなとき、この「デジタルアイテム抽選」で限定プリントを獲得できれば、待ち時間が楽しいものになり、限定プリントが手に入るという喜びもある、というのが狙いだそうです。
○オリジナルフレーム合成と即時プリントができる「いまフォト」

同じくイベント会場を盛り上げるスマホ連動のサービスとして、「いまフォト」というサービスも体験できました。これは、アプリのインストール不要で、オリジナルデジタルフォトフレームと写真の合成し、即時プリントができるサービス。写真はその場で撮影することもできますし、カメラロール内の写真を指定することもできます。合成後の写真はファイルとしてスマホに保存することも可能なので、SNS投稿などにも利用できます。

イベントに参加した際、入場ゲートなどで記念に写真を撮ることは多いもの。この「いまフォト」でオリジナルのフレームを用意しておけば、イベント参加者に事後に拡散してもらうことも期待できそうです。
○韓国で流行の4Cutプリントを楽しめる「Seeya」

「Seeya」という韓国発のサービスも紹介してもらいました。韓国ではいま、プリントシール機のような4枚一組のフレーム付き写真(4Cutプリント)をスマホで撮るのが流行しているのだそうで、この「Seeya」はそんな写真を撮れるアプリです。

面白いのは、このフレームと位置情報が連動するところ。特定のスポット限定のフレームを設定すると、地図上にそれが共有されます。魅力的なフレームがあれば、それを利用するためにユーザーがそのスポットを訪れることになりますので、イベントや飲食店・店舗などの集客につながります。


プリントに際しては、アプリがエプソンのプリンターの機能を利用するようになっているとのこと。現時点では日本で「Seeya」のサービスを利用することはできないそうですが、将来の日本進出を目指しているとのお話でした。
○ラベルプリンターは多種少量のグッズづくりに活躍

その隣でデモを行っていたのは、ラベルプリンター「CW-C4020G」を利用した各種ラベルのプリント。従来は一定のロット数をまとめて発注することが必要だったラベル印刷を少量印刷に対応させたことで、活用の場面が広がっているそうです。例として、市販のお菓子に印刷したラベルシールを貼ることであっという間に推しアイテム化した例が展示されていました。

○落ち着いて推しの映像を楽しめる木製カバー装着プロジェクター

ブースのほとんどを占めていたのはプリンター関連のソリューションでしたが、推しの姿を大画面で楽しむためのプロジェクターも出展されていました。といっても機能的に特別なものではなく、既存のコンパクトモデル「EF-21」に木製のカバーを装着したものです。

これは、生活空間にプロジェクターを設置する際、工業製品の無機質なデザインが好きになれないという人に提案するもの。この試作品では、エプソングループの本社がある長野県で出た端材を使用しているそうです。良質な木材から出た端材から、木目などが美しいものを選んでいるそうで、自然派のインテリアにマッチしそうな仕上がりになっています。

ちょっと面白いのは、側面にディフューザーが取り付けられているところ。プロジェクターは放熱のために右側面から排気を行いますが、その気流を利用して芳香を室内に送れるようになっているのです。


実際の販売については現時点では未定とのことでした。

本格的なグッズ制作にも対応できるエプソンのソリューション

○衣類へプリントできるガーメントプリンター

ここまで見てきたのは家庭用を中心とする小型プリンターを使用するサービスでしたが、エプソン販売は大型の業務向けソリューションも展開しています。

そういった大型機の推し活利用の一例として、衣類へのプリントが可能なガーメントプリンターが展示されていました。

この日展示されていたのは最大254mm×305mmと、A4より少し大きいくらいのサイズまでに対応した「SC-F1050」という機種でしたが、上位機種ではより大きいサイズのプリントにも対応しているとのこと。

また「SC-F1050」は、直接布地にプリントするだけでなく、いったんフィルムにプリントし、そこから布地に転写する「Direct to Film」というプリント方法にも対応しています。直接布地にプリントする場合は前身頃/後ろ身頃以外のスペース、たとえば肩口などは形状が複雑なためプリントが難しいそうですが、「Direct to Film」であればそういった場所にも対応できるのだそうです。
○UVプリンターはアクスタ作りに大活躍!

そして近年推し活グッズとして大人気のアクリルスタンドを作れるのが、UVプリンターです。エプソンの「SC-V1050」は、アクリル板だけでなく、プラスチックやゴルフボールなどにもプリント可能。小規模なオフィス内などにも設置できるデザイン・サイズ感で、脱臭機能でUVインクの臭いも軽減できるそうです。A4サイズで70mmの厚さまで対応できるということで、大きくて分厚いアクリルスタンドも作れてしまいます。

ちなみにUVプリンターでは、インクの重ね塗りも可能。アクリルスタンドをプリントする際は、アクリルを通してイラストや写真が見られるように、裏面からカラーでイラストや写真を印刷した後、下地になるように白インクを塗り重ねて仕上げていることが多いはずです。
ちなみに表面から何度も重ね塗りをすると、油絵の表面のようなテクスチャになります。

○1,500種類のグッズが作れるグッズ制作サポートサービス「SUBLIONE」

最後に見せてもらったのが、「SUBLIONE」(サブリワン)というグッズ制作のサポートサービスでした。

SUBLIONEは、プリンターなどの機器の導入から、制作するグッズの素体の購入、機器の使い方から起業コンサルティングまでのサポートをトータルで行うパッケージ。韓国でこのサービスを展開しており、これを日本でも展開しようとしているようです。

グッズ制作には、エプソンの昇華転写プリンターを使用します。昇華転写プリンターは、昇華インクを転写紙にプリントし、その転写紙を最終的にプリントしたい対象物と重ね合わせて熱と圧力を加え、対象物に印刷する印刷方式です。

オリジナルグッズの制作を考えている人に魅力的になりそうなのが、1,500種類以上の製品が作れるという素材のバリエーション。加えて、少量の仕入れにも対応するという話でした。日本でのサービス提供はまだこれからという感じのようですが、このサービスを利用することでグッズ制作への参入のハードルが大きく下がるのではと感じました。
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