住宅ローン比較サイト『モゲチェック』を運営する株式会社MFSが、今後の金利情報についてお伝えします。解説は、取締役CMO:塩澤崇です。
■7月の住宅ローン金利の動き
2025年7月の住宅ローン金利情報をお伝えします。
注目ポイントはSBI新生銀行の金利優遇キャンペーン開始とPayPay銀行の50年ローン開始です。それぞれについてご紹介していきます。
SBI新生銀行が金利優遇キャンペーンを開始し、変動金利が年0.590%で借り入れできるようになりました。柔軟な審査で人気の銀行であるため、多くの方が低金利で借り入れできるチャンスがあるでしょう。キャンペーンの詳細内容は下記となります。
【キャンペーン期間】
お申し込み:2025年7月1日(火)~2025年9月30日(火)
お借り入れ:2026年3月31日(火)まで
【キャンペーン概要】
キャンペーン期間中に変動金利(半年型)で住宅ローンをお借り入れされた場合に、基準金利(年1.950%)からの引き下げ幅を年1.360%へ拡大いたします。※金利タイプの変更がなければ、当初借入金利適用期間終了後も基準金利からの引き下げ幅は年1.360%が継続されます。
続いて、PayPay銀行の50年ローンをご紹介します。昨今、不動産価格や物価の上昇が続いていますが、50年ローンを活用することで毎月の返済額を軽減することが可能です。例えば、3,500万円お借入の際は、月々のお支払額を23,258円も抑えることができます。
※借入金額が3,500万円、借入金利が35年の場合年0.600%、50年の場合年0.700%(いずれもスマホ/ネット/でんき優遇割適用)、元利均等返済・半年毎増額(ボーナス)返済利用なしで借入金利が期間中に変動しないと仮定した場合における計算例です。
※当社でのお借り入れが上記内容を保証するものではありません。
(PayPay銀行WEBページより抜粋)
35年超借入可能な住宅ローンは、地方銀行を中心に先行して取り扱い銀行が増えていき、多くの主要銀行も対応しています。35年以内のお借入と比較すると金利が上がってしまうケースもあるものの、上手に活用することで無理のない返済計画が立てられるので、ぜひチェックしてみましょう!
「35年超の住宅ローンを利用可能な主な銀行」
auじぶん銀行、住信SBIネット銀行、イオン銀行、楽天銀行、UI銀行、りそな銀行、三井住友信託銀行、他地方銀行など
最後に、金利タイプの選択についてです。モゲチェックでは今後も追加利上げが行われ変動金利が緩やかに上昇する可能性はあるものの、借りすぎには注意するという前提のもと、相対的に低金利となっている変動金利を利用する方が有利であると考えています。
一方で金利の予測は難しく想定外なこともありえるため、今後の金利上昇が心配な方は、固定金利を選択し安心することも正しい判断と言えます。
■金利が一時的なものか長期的に適用されるかを見極めることが重要
変動金利は、SBI新生銀行が金利優遇キャンペーンを開始し、金利を引き下げています。それ以外の銀行については、変動金利に大きな変化はありませんでした。
固定金利は日本国債10年利回りがやや下落したため、各銀行の10年固定やフラット35は若干の下落となりました。
主要金融機関の適用金利の先月との比較は下記表の通りです。
続いて、主要金融機関の住宅ローン基準金利も確認しましょう。
みずほ銀行と横浜銀行を除き、どの銀行も基準金利を3月と比較し0.25%引き上げており、過去の日銀利上げを全て反映した状態になっています。
一方、みずほ銀行と横浜銀行は25年1月の日銀利上げをまだ反映しておらず、2025年10月以降に0.25%引き上げとなる見込みです。
・みずほ銀行:25年10月に基準金利見直し予定
・横浜銀行:25年10月に基準金利見直し予定(結果として、適用金利を0.65%から0.9%へ引き上げ)
上記2銀行は、借入当初の適用金利は安く見えるものの、借入後に基準金利が上昇し適用金利が上がることが考えられるため、比較には注意が必要です。現在ウェブ上で表示されている適用金利に0.25%を加えた金利が実態に近いでしょう。
以上の通り、日銀の利上げをいつ変動金利に反映させるかは銀行によってばらつきがあり、消費者にとってローン比較が非常にしづらい状況となっています。ゆえに、7月の適用金利のみで判断するのではなく、その金利が住宅ローン基準金利見直し前の一時的なものか長期的に適用される金利かを見極めることが重要です。
例えば、「もし日銀利上げが今後無く、経済情勢にも変化が無かった場合、返済開始1年後の金利はいくらですか?」の質問を銀行に問い合わせてみるのも一計です。今の金利と同じであれば問題ないですが、上がる場合はその金利で比較検討する必要があります。
■7月のタイプ別金利動向
主要なネット銀行、メガバンク、地方銀行の変動金利、メガバンクの10年固定金利、フラット35の金利をそれぞれ平均したモゲチェックの独自指標である「住宅ローン金利インデックス」の動きは下図の通りです。
変動金利では引き続きネット銀行の金利水準がメガバンクを上回る逆転現象が起きています。メガバンク vs ネット銀行の競争は激化し続けており、この傾向は当面続く可能性があります。
固定金利は、トランプ関税による景気先行き不安もあり、長期金利が下落し、フラット35も含めやや低下しました。また、堅調な賃金および物価の上昇を踏まえ、年内に追加利上げが行われる可能性があり、その見通しを踏まえ長期金利がもう一段階上昇する可能性があります。
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