東宝が新たに手掛ける才能支援プロジェクト、「GEMSTONE Creative Label」の新作短編実写映画『ソニックビート』が、カナダの映画祭「第29回ファンタジア国際映画祭」への正式出品が決定した。
「GEMSTONE Creative Label」は、東宝の若手社員たちが主体となり立ち上げた、クリエイターにとって自由な表現の場となることを目指す意欲的な試み。
フォーマットやメディア、過去の実績にとらわれず、あらゆる才能に門戸を開いている点が特徴だ。先日、「国際短編映画祭ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2025」で、GEMSTONE Creative Labelによる新たな短編3作品の制作と完成が発表されたばかり。豪華キャストが登壇したイベントは大きな注目を集め、気鋭のクリエイターたちが送り出す新作への期待感が高まっている。
そんな中、23歳の新鋭・関駿太が監督を務め、俳優の西垣匠が劇場用映画で初の主演を飾り、さらに人気アイドルグループ櫻坂46の山崎天が映画に初出演した短編映画『ソニックビート』が、『第29回ファンタジア国際映画祭』の「Fragments d'Asie 2025」部門への出品が決まった。「Fragments d'Asie」は、アジア各国の優れた短編映画を紹介。その多様性と魅力を世界に発信する重要なプログラムとなっている。
本作『ソニックビート』がこのセクションに選出されたことは、物語の面白さやテーマ性は勿論のこと、作品としての完成度の高さと国際的な評価を証明。加えて、『ソニックビート』はコンペティション対象作品として、国際短編映画コンペティションにもノミネートされており、受賞への期待も高まっている。
戸塚純貴が出演
また、本作には実力派俳優の戸塚純貴が出演。彼は主人公イサオ(西垣匠)が幼少期に出会う旅人リキ役を演じる。リキは、車で各地を巡る自由な人物として描かれ、主人公イサオの人生に大きな影響を与える重要な役どころとなる。
映画祭への出品に先駆けて、本作の海外版ティザービジュアルも公開。
ビジュアルでは、陸上競技場のスタートラインに立つ主人公・イサオ(西垣匠)の姿が印象的に描写。彼は緊張した面持ちで前を見据え、青いユニフォームに身を包み、まさにスタートを切ろうとする瞬間が切り取られている。その姿からは、彼の内面の葛藤やプレッシャーも。背景の薄明かりと、画面を横切る光の軌跡は、イサオが迷い込む精神世界と、そこから脱却しようとする彼の苦悶を暗示しているかのようだ。幻想的でありながらスピード感のある世界観は、単なる青春ドラマではない、物語の深さを予感させる。
■西垣匠 コメント
『ソニックビート』が日本を飛び出し、世界の方々にも見ていただけることを、とても嬉しく思います。この作品が描く「若さ」や「勇気」は、言語の壁を越えて、すべての人に共感していただけるものだと思っています。セット、音、映像美など、見どころは盛りだくさんなので、色々な部分を楽しんでいただきたいです。また、これを機に1人でも多くの方に『ソニックビート』という作品が伝わっていくことを願っています。
■山崎天 コメント
このたび、映画『ソニックビート』がカナダのファンタジア国際映画祭に出品されることが決定し、世界で初めてこの作品が上映されると聞き、本当にうれしく思っています!
作品に込められたエネルギーやメッセージが、海を越えてカナダの皆さんにも届くことを心から願っています。人生初めての映画作品をこのような形で皆様に観ていただけるのが、今からとても楽しみです! たくさんの方にこの映画が届きますように!
■戸塚純貴 コメント
カナダのファンタジア国際映画祭に選出されたこと大変光栄に思います。映画祭は自分にとって特別な場所であり、監督をはじめスタッフ・キャストが一丸となって撮影した作品が国境を超えてたくさんの方に届けられることを、とても嬉しく思うと共にどんな反応があるのか楽しみです。
ソニックビートの名の如く、この作品が音速のスピードで全世界に羽ばたいていくことを願っています。
【編集部MEMO】
ファンタジア国際映画祭は、カナダ・モントリオールで1996年から開催されている歴史ある映画祭。北米において最大規模を誇る。北米、ヨーロッパ、アジアなど世界各国の作品、約400本が上映され、会期中の来場者数は10万人にも及ぶ。ジャンル映画祭としては世界的に非常に高い評価を得ている。第29回を数える今年は、7月16日~8月3日に開催。
編集部おすすめ