調査会社Statcounterの最新データによると、2025年7月時点でWindows 11がデスクトップ向けWindows OSとして最も利用されているバージョンとなった。Windows 11の市場シェア(グローバル)は50.88%に達し、Windows 10(44.59%)を初めて上回った。
これは、Windows 11が2021年に登場して以来、およそ4年越しでのトップ奪取である。

Windows 11の普及は、Windows 10に比べて緩やかであった。Windows 10は登場から1年で4億台のデバイスに導入されたが、Windows 11は同じ数字に到達するのに2年を要した。この遅れの大きな要因は、セキュリティチップ(TPM 2.0)が必須になるなどWindows 11のデバイス要件が厳しく、Windows 10で動作する多くのPCがアップグレード対象外となったことによる。また、インストール時にMicrosoftアカウントの作成とインターネット接続が必須となったことも、一部ユーザーを遠ざける原因となった。

しかし、2025年10月14日のWindows 10サポート終了が近づいており、昨年12月からWindows 11への移行が加速していた。Statcounterによれば、前月6月の時点ではWindows 10が48.76%でリードを保ち、Windows 11は47.98%であったが、現在では7.4%差でWindows 11がリードしており、ひと月で実に10%近い振れ幅となっている。

なお、ゲーミング市場においては、Steamのハードウェア調査データで、2024年8月にWindows 11の使用率がWindows 10を上回っていた。これはゲーマーは一般ユーザーよりPCの買い替えに積極的であるためと見られている。

Statcounterの数値はインストールベースのシェアではない。同社のデータはWebページビューを測定したもので、Statcounterのトラッキングコードを埋め込むことを選択したWebサイトにおける利用傾向を示す参考値である点には注意が必要だ。収集データの規模は過去10年で3分の1以下に減少しており、GoogleやWikipediaのような人気の高いサイトのトラフィックが含まれていない。
そのため、市場全体のデータとしての精度に疑問符をつける声も少なくない。

とはいえ、Windows 10からのトラフィックの継続的な減少がStatcounterのデータにも表れている。Windows 11がWindows 10を上回ったことは節目となるマイルストーン達成ではあるが、それほど重要ではない。今後は、残されたWiondows 10で動作するPCにWindows 11の要件を満たさないPCの割合が高くなる。2018年にWindows 10がWindows 7を上回った後、Windows 7は継続的に減少し続け、5年後の2023年に10%以下になった。先月、MicrosoftはWindows 10サポート終了後も1年間の無料セキュリティ更新を可能にする一般ユーザー向けのオプションを発表したが、今後Window 10が10%以下になるまで継続的に減らしていけるかが注目点になる。
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