Claris International Inc. は、ローコード開発プラットフォーム「Claris FileMaker 2025」の提供を開始した。Claris FileMaker 2025では、これまでに導入された AI機能を拡張し、それらをカスタム Appに組み込むことが可能になっている。


Claris FileMaker 2025では、これまでに導入された AI機能を拡張し、ユーザーからの質問に対して、FileMaker内のデータを元にAIが自然な言葉で回答を生成してくれるほか、LLM(大規模言語モデル)とRAG(検索拡張生成)の機構を活用し、ドキュメントに基づいた回答の生成、ファインチューニング機能による、FileMaker内のデータ利用からAIモデルを学習させ、特定のユースケースに最適化したAIの活用を支援する機能、回帰モデルを用いて、FileMakerのデータから将来の結果を予測し、必要に応じてモデルの再学習も自動で実行する機能などが盛り込まれている。

さらに、近日中にAIを利用したユーザー用チャットエージェントを構築するためのアドオンも提供予定となっている。これにより開発者はドラッグ&ドロップなど簡単な操作でAIを利用したチャット機能をカスタム Appに追加できるという。

また、オンプレミスでAIを活用するためのローカル LLM Claris FileMaker Serverに同梱のAIモデルサーバーにより、一般的なクラウド上のAIモデルに加えてオンプレミス環境でローカル LLMを利用する構成も可能。これにより、社内の機密情報や個人情報を外部のAIモデルに送信することなく、安全にAIを活用できる。AIモデルサーバーは、FileMaker Serverの管理コンソールから操作・管理できるため、高度なAIの知識がなくても利用が可能となる。

Claris FileMaker Cloudで利用する場合は1カ月あたり2,420円から(支払いは年単位、契約は5ユーザー以上より)となる。購入に際しては販売ページにアクセスし、希望のプランを選択する。

オンプレミスのFileMaker Serverを利用する場合は、1ユーザー1カ月あたり2,035円から(支払いは年単位、契約は5ユーザー以上より)。

シングルライセンスのダウンロード版が73,260円で、アップグレードは43,956円となっている。

なお、今回のリリースでは、Claris FileMakerの保守の有効な対象のライセンス契約があれば、追加料金なしでClarisプラットフォーム全体(Claris FileMaker、Claris Studio、Claris Connect)が利用できるようになる。Claris StudioとFileMakerの双方向連携がさらに強化されており、Claris Studioで収集したデータをFileMakerに直接連携できるようになったことで、プラットフォーム内でワークフロー全体を完結させることが可能になっている。
例えば、Claris StudioのWebフォームで顧客からのフィードバックを収集し、その内容をAIが感情分析し、結果をFileMakerに登録することで、予め用意した返信メッセージをClaris Connectを通じて顧客へ自動送信する、といった一連の流れをローコードで実装できる。
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