LIFULLは7月23日、「神奈川県、埼玉県、千葉県の新築マンションの平均価格(2025年)」を発表した。調査は、2024年1~5月および2025年1月~5月に「LIFULL HOME'S」に掲載された首都圏1都3県で分譲された新築マンションの最高価格/面積と最低価格/面積を抽出し、平均値を算出した。


2025年1-5月に掲載された神奈川県の新築マンションは32エリアあり、平均平米単価は前期比109.1%増の104.6万円だった。最も高いエリアは「横浜市中区」で1億5,982万円。以下、2位「相模原市緑区」(1億3,069万円)、3位「茅ヶ崎市」(1億2,580万円)、4位「川崎市中原区」(1億34万円)と続き、神奈川県内4エリアで億超えという結果に。平均平米単価の上昇率は「横浜市戸塚区」(159.2%)が最も高く、次いで「相模原市緑区」(148.1%)、「茅ヶ崎市」(137.6%)。

また、神奈川県で2024年に掲載があり且つ、2025年の平均平米単価上位20エリアについて2023年からの推移をみると、2023年は「横浜市中区」(153.8万円)を除いた平均平米単価は約125万円以下だったが、2025年は7エリアで125万円を超えている。注目エリアは、2023年に平均平米単価が150万円を超えた「横浜市中区」が、2年でさらに上昇し続け、2025年には県内唯一の200万円台に。また、「横浜市戸塚区」の上昇率が顕著で、2年で1.9倍(65.7万円→124.7万円)となっている。

埼玉県の新築マンションは27エリア。平均平米単価は、前期比100.1%の80.3万円で、最も高いエリアは「さいたま市浦和区」(124.2万円)。また、平均価格が最も高い「所沢市」は7,531万円で埼玉県内唯一の7,000万円台となったほか、「さいたま市大宮区」「浦和区」「川越市」「川口市」「和光市」「久喜市」の6エリアで6,000万円台となった。

2023年からの推移をみると、2025年時点で「浦和区」の平均平米単価は124.2万円に達し、東京23区内と同程度の価格帯に突入。「さいたま市大宮区」や「川口市」では100万円を超えるなど、都心アクセス性の高いエリアを中心に価格の上昇傾向が顕著となっている。
また、「浦和区」と「飯能市」「深谷市」では1㎡あたりの価格差が2倍以上(約66万円の差)となり、同一県内でも居住地によって住宅価格の負担感が大きく異なる状況に。

一方で、埼玉県は27エリアで新築マンションが供給されており、平均平米単価が60~80万円台の地域も多くあることから、価格面で「手が届くエリア」の選択肢が豊富ともいえるという。

千葉県の新築マンションは14エリアあり、平均平米単価は前期比110.1%の85.2万円。最も高いエリアは「市川市」(116.8万円)で、平均価格も県内唯一の9,000万円台となっている。東京都に隣接し、JR総武線や東京メトロ東西線、都営新宿線などが運行していることから利便性の高さが価格に反映されているよう。

また、2023年からの推移をみると、「市川市」は116.8万円に到達し、県内で唯一「上位価格帯」に突入。「千葉市中央区」もこの2年で伸長し99.9万円となったほか、「浦安市」「船橋市」などは90万円台後半と堅調な伸びを示している。都心通勤圏でありながら価格は都内より手頃なため、ファミリー層のニーズは今後も高いと思われる。

一方で「八千代市」や「流山市」などの郊外エリアでも価格が上昇傾向にあり、今後は中堅価格帯の上昇が価格全体を押し上げる可能性も。交通利便性と価格のバランスに優れる千葉県内は、引き続き購入検討者にとって魅力的な選択肢といえそう。
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