エア・ウォーターは7月28日、関東天然瓦斯開発との合弁会社「エア・ウォーターK&O」を設立し、千葉県茂原市に低炭素水素の製造拠点を新設すると発表した。

○新会社の概要

エア・ウォーターK&Oでは、環境負荷の少ない千葉県産天然ガスを原料に、水素製造装置「VHR」とCO2回収装置を導入し、2027年度の操業開始を目指す。


クリーン電力とCO2回収によって低炭素水素の製造を実現し、産業用途や将来的な水素需要の拡大にも対応する。また、回収したCO2はドライアイスの原料として活用し、需給がひっ迫する炭酸ガス・ドライアイスの安定供給につなげていくとしている。

同社は、自社グループが持つ水素製造・CO2回収技術と、安定供給が可能で環境負荷の低い千葉県産天然ガスを組みあわせることで、関東天然瓦斯開発との相乗効果を最大限に活用。低炭素水素事業の本格展開を図り、カーボンニュートラル社会の実現にも貢献していくとしている。

新会社の出資比率はエア・ウォーターが70%、関東天然瓦斯開発が30%。資本金は50百万円。新設される低炭素水素製造拠点は、同社グループとして関東で3カ所目、全国では11カ所目の圧縮水素製造拠点となる。製造される水素のCO2排出量は、現時点での「Well-to-gate」基準において1kgあたり3.4kg以下としている。

製造設備には、天然ガス改質型水素製造装置「VHR」のほか、CO2回収装置や水素圧縮機、水素トレーラー・カードル充填設備も併設される。投資額は約28億円で、2027年5月の稼働開始を予定している。
編集部おすすめ