CTP JAPANは7月29日、「チャイルドシートの使用実態に関する調査」の結果を発表した。調査は6月19日~7月1日、車を所有する、3歳~12歳の子を持つ親1,000名を対象にインターネットで行われた。


日本におけるチャイルドシートの使用義務は、法制度上「6歳未満」とされているが、それでは、子どもの安全が十分に守りきれない実態があるという。また、車のシートベルトが身長150cm以上の搭乗者を想定して設計されていることから、JAFは2024年9月、チャイルドシートの使用目安を「身長140cm未満」から「身長150cm未満」へ変更した。

調査ではまず、チャイルドシートの使用状況について聴取したところ、法制度上の使用義務である「6歳未満まで」でも、2割近くが「全く使用していなかった」(19.15%)ことが明らかに。使用義務のない「6歳を超えて」では使用率が急減し、「常に使用していた」と回答したのは全体の20.92%にとどまり、44.33%が「全く使用していなかった」と回答。「6歳まで」という法的義務の有無がチャイルドシートの使用判断の基準となっている傾向が明確に現れる結果に。

しかしながら、「チャイルドシートに使用義務があることを知っていますか?」と聞くと、「6歳未満まで義務がある」と正確に理解していたのは全体の65.2%にとどまり、10.6%は「使用義務があることを知らなかった」と回答。法的な基準が十分に浸透していない現状も浮き彫りに。また、JAFの新たな使用目安「身長150cm未満」は浸透しきっておらず、約4割が「知らなかった」(38.2%)と回答。さらに24.7%が「知っていたが卒業させた(させる予定)」と回答したことから、知識があっても実行につながっていない層も一定数存在することがわかった。

次に、チャイルドシートを卒業させる・卒業させた理由について質問したところ、「子どもが身長150cmになるまでチャイルドシートを使用する予定である」と回答したのは全体の13.93%にとどまり、全体の31.21%が「チャイルドシートをしなくても安全面において心配がないと確信を持てたから」卒業させたことが明らかに。しかし一方で、半数以上が「子どもが嫌がったから」「子どもの体格に合わなくなったから」など安全面とは違う理由で卒業させていたことがわかった。

次に、「どのような情報や体験があれば子が150cmになるまでチャイルドシートを使用してみようと思えますか?」と尋ねたところ、「実際の事故事例」を1番と回答したのが全体の約半数(48.75%)で、ダントツの1位に。
具体的なリスクを知ることでチャイルドシートの使用促進につながることが明らかに。

また、「子どもの安全を守るため有効であれば、年齢に関係なく150cm未満であればチャイルドシートを使い続けたほうが良いと思いますか?」と聞くと、81.3%が「強くそう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答。年齢よりも「安全性や効果」に基づいて判断したいという親の意識が見て取れた。
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