製品評価技術基盤機構(NITE)は7月31日、「プラグ・コード・コンセントまわりの事故」で気をつけるべきポイントを紹介した。
○年別の事故発生件数
同機構通知があった製品事故情報のうち、2019年から2024年までの6年間に発生した家電製品の「プラグ・コード・コンセントの事故」は219件だった。
○事故の被害状況
調査中を除く電源コードからコンセントまでの事故219件における被害状況別の事故件数を見ると、延焼等の拡大被害が多く、死亡事故などの人的な被害も発生している。
○事故事象別の被害状況
調査中を除く電源コードからコンセントまでの事故219件について、発生箇所別の事故事象及び事故事例について紹介する。
○1.電源プラグに異常がないか確認する
電源プラグが変形した状態で使用すると、コンセントの刃受金具と正常に接触せず、異常発熱や発火に至るおそれがある。プラグを踏みつけてしまったり、コンセントからコードを持って抜いたり、力任せに斜め方向に引き抜いてしまったりすると電源プラグの栓刃が変形したり、プラグ内部が破損する場合があるため、設置場所や抜き差しに注意する必要がある。電源プラグに変形、焦げが認められる場合やプラグが異常に熱くなっている場合は使用を中止し、メーカーや販売店に相談するよう、NITEは呼びかけている。
○2.電源プラグにほこりが溜まっていないか確認する
電源プラグはコンセントや電源タップとの間に隙間が生じないようにしっかりと差し込み、定期的に掃除してほこりを取り除く必要がある。電源プラグをコンセントや電源タップとの間に隙間がある状態で差したままにすると、隙間にほこりが溜まって表面に水分が付着したり、水分が内部に浸入したりしてショートやトラッキング現象が生じるおそれがある。
掃除の際は、必ずコンセントや電源タップから差込みプラグを抜き、"から拭き"でほこり等のよごれを除去することが望ましいとされる。コンセントや電源タップの差込口にアルコールスプレー等の洗浄液が直接かかるとショートやトラッキング現象が生じるおそれがある。
○3.電源コードに異常がないか確認する
電源コードを折り曲げる、踏みつける、引っ張るといった、外部から電源コードに無理な力が加わる使い方をすると、電源コードの芯線が断線して、異常発熱や発火に至るおそれがある。
電源コードは本体側や電源プラグ側での断線が起こりやすいため、コードの被覆がひび割れたり、裂けたりしていないか定期的に確認する必要がある。また、長期間使用した電源コードは、被覆に含まれている可塑剤が抜けて硬化し、ひび割れなどが発生しやすくなる。そのため、コードが硬くなっていないかについても確認が求められる。
○4.電源プラグを差し込んだときに緩みがないか確認する
電源プラグの繰り返しの抜き差しによる劣化や変形したプラグの使用等で、コンセントや延長コードのタップの刃受金具が変形し、電源プラグとの接触が悪くなって異常発熱するおそれがある。コンセントや延長コードに差し込んだプラグを前後に傾けた際にぐらつきがある場合や抜けやすくなっている場合は、接触が悪くなっている可能性があるため、製造メーカーや販売店に相談することが推奨されている。
○5.接続可能な最大消費電力を超えていないか確認する
テーブルタップなどには接続可能な最大消費電力または定格電流(何アンペアまで接続できるか)が定められている。接続可能な最大消費電力や定格電流を超えると発熱を生じ、テーブルタップの電源プラグが異常発熱したり、電源コードの絶縁被覆が破損・ショートしたりして発火するなどの事故につながる。
家電製品を接続する際は、接続可能な最大消費電力や定格電流を超えないように注意する必要がある。接続可能な最大消費電力または定格電流は、テーブルタップ本体やパッケージに記載されている。また、消費電力の大きな家電製品の中には、テーブルタップなどの使用を禁止しているものがあるため、事前に接続する家電製品の取扱説明書や本体表示を確認し、記載されている指示に従う必要がある。