オリコンは8月1日、「住宅ローン」の利用実態データを発表した。調査は2025年4月9日~5月12日、過去3年以内に住宅ローンの新規借り入れ、もしくは、借り換えを行った人で、融資(借入)を現在受けている4,018人を対象に、インターネットで行われた。

○契約している住宅ローンの金利タイプ

住宅ローンを利用している4,018人に、「契約している住宅ローンの金利タイプ(複数回答)」について聴取したところ、「変動金利タイプ」が最も多く、80.0%という結果となった。次いで、「当初固定金利タイプ」(8.7%)、「フラット35」(6.1%)、「全期間固定金利タイプ」(4.9%)が続いている。

住宅ローン利用者(4,018人)の8割以上が「変動金利タイプ」を契約しており、利用者からは「変動で低い金利で契約ができた(40代・男性)」「手続きが速く、変動金利がわかりやすかった(30代・男性)」といった声がみられ、金利の低さや柔軟性を重視して変動型を選択している傾向がうかがえる。

○加入した団信の特約保障

「加入した団体信用生命保険の特約保障(複数回答)」について聴取したところ、「がんに対する保障」が52.4%と最も多い結果となった。次いで、「脳卒中・急性心筋梗塞に対する保障」(29.6%)、「生活習慣病(高血圧、糖尿病、腎疾患、肝疾患、慢性膵炎など)に対する保障」(19.8%)などが続いている。

死亡・高度障害(基本保障)を除く特約の中では、約2人に1人が「がんに対する保障」に加入していることがわかった。

住宅ローンの借り換えきっかけ


「住宅ローンを借り換えようと思ったきっかけ(複数回答)」について聴取したところ、「借り換え前の住宅ローンの金利が高かったから」が75.9%と最も多く、前年(2024年)から2.7pt増加していることがわかった。次いで、「固定金利の期間が終了した(終了間近だった)から」(12.8%)、「借り換え前の団体信用生命保険の保障内容が充実していなかったから」(8.5%)などが続いている。実際の利用者からは「前の銀行より金利が下がった(40代・男性)」「借り換え当時、金利が最安値だった(50代・男性)」といった声がみられた。

また、「住宅ローンの不安点」について自由回答で聴取したコメントのキーワード上位10項目においても、「金利」が45.9%で最多となり、前年(42.2%)と比較して3.7pt上昇した。「変動」(22.9%)や「上昇」(9.7%)といったキーワードも上位に入り、金利変動に対する不安が昨年より高まっていることがうかがえる。

そのほか、「生活費」(0.8%)に関するキーワードも上位10項目に入り、物価高騰による生活費の上昇から、住宅ローン返済への不安を感じる声も一定数みられた。


○住宅ローン返済期間

「返済期間を何年として住宅ローンの融資(借入)を受けたか(単一回答)」について聴取したところ、全体では「31年~35年」が50.6%と最も多い結果となった。次いで、「21年~30年」(21.6%)、「15年~20年」(12.8%)などが続いている。

また、住宅種類別にみると、新築住宅では「31年~35年」の返済期間を選んだ人の割合が、注文住宅で47.9%、建売住宅で56.7%、集合住宅で59.1%といずれも高く、長期返済の傾向が見られた。

一方、中古住宅では「31年~35年」が最多ではあるものの、割合は戸建てで40.4%、集合住宅で47.9%にとどまっています。また、「15年~20年」と「21年~30年」といった中期返済を選んだ人は、戸建てで計45.3%、集合住宅で計42.1%にのぼり、新築住宅に比べて比較的短めの返済期間を選ぶ人も一定数見られた。
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