女優の広瀬すずが主演を務める映画『遠い山なみの光』(9月5日公開)の新たな場面写真3点が公開となった。主人公・悦子の夫である「二郎」を演じる松下洸平の姿が捉えられている。


『遠い山なみの光』は、ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロ氏の長編デビュー作を、石川慶監督が映画化。主演は広瀬すず、共演は二階堂ふみ、吉田羊、カミラ・アイコ、松下洸平、三浦友和ら。舞台は、戦後間もない1950年代の長崎と、1980年代のイギリスで、時代と場所を超えて交錯する「記憶」を巡る秘密を紐解いていくヒューマンミステリーに仕上がっている。

この度公開となったのは、戦争で右手の指を失くし、心身ともに傷を負った人間の屈折や哀しみも持つ二郎を、確かな説得力で演じた松下洸平の場面写真3点。2人で住む長崎の団地で、妊娠中の悦子(広瀬)のお腹に手を当て身重の妻を気遣う姿、そして福岡から訪ねてきた父の緒方(三浦)との複雑な関係性を匂わせる物憂げな表情、最後に悦子に核心的な問いを投げかけられ、答えをはぐらかす姿が捉えられている。

キャスティングに際し、悦子の夫という重要な役に、松下洸平が白羽の矢を立てられた決め手は「古風とも言える昭和感がありながら華もある」佇まいだったという。石川慶監督は、二郎を人間臭さや色香の感じられるような人物にしたいと考えた時に、松下ならば演じられると確信めいたものがあったと話す。そして、松下が長崎の原爆をテーマとした舞台『母と暮らせば』に出演しているのを観たプロデューサー陣には、彼の長崎弁と時代背景への理解度に期待をしたという。

(C)『遠い山なみの光』製作委員会

【編集部MEMO】
原作者、エグゼクティブ・プロデューサーのカズオ・イシグロは、本作で描かれる長崎県の出身で、幼年期に渡英したのち、1983年にイギリス国籍を取得。2017年にノーベル文学賞を受賞している。本作以外にも映画化された作品は数多く、『日の名残り』『上海の伯爵夫人』『わたしを離さないで』『生きる LIVING』は、日本でも公開されている。
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