キリンビールは8月5日、昨年好評だった「キリン 氷結 mottainai 浜なし(期間限定)」が再発売されることに先駆けて、新たに発売するミールキットの先行試食会と「浜なし」についてより深く知れる農園ツアーを開催した。

「キリン 氷結 mottainai 浜なし(期間限定)」は、キリンビールが果実のフードロス削減や農家支援を目指す「キリン 氷結 mottainai」シリーズの第1弾として昨年に販売したチューハイで、昨年の反響を受けて8月19日から再発売する。


2024年だけで終わる取り組みにせず継続的に展開することで、果実のフードロス削減と生産者支援に、より深く貢献していく方針だ。

「キリン 氷結 mottainai 浜なし」とは?

「キリン 氷結 mottainai 浜なし(期間限定)」は、規格に合わず捨てられてしまう予定だった“浜なし"を活用したチューハイ。神奈川県・横浜市で生産される“浜なし”を使用し、2024年にシリーズ第1弾として登場した。ジューシーで上品な甘さが特長で、チューハイとしても飲みやすい味わいに仕上がっている。

売上1本につき1円が、梨苗木の購入や新品種への挑戦、梨園の拡充など、浜なし農家の支援に活用される仕組みも設けられており、その社会的な取り組みに共感の声が寄せられた。

さらに限定品としては非常に高い売り上げを記録し、SNS上では「また再販してほしい」「見つけたらリピ買いする」といった声が上がっていたという。

広がり続ける「もったいない」への取り組み

2024年に「キリン 氷結 mottainai 浜なし」を発売したことをきっかけに、キリンビールはフードロス削減や農家支援に取り組むプロジェクト「氷結 mottainaiプロジェクト」をスタートさせた。そして今年、その活動はチューハイという枠を越えて、より広いプロジェクトとして新たな展開を見せている。

新たに始まった「モッタイナイ!を、おいしい!に。」プロジェクトは、キリンビール、オイシックス・ラ・大地、ビビッドガーデンの3社による企業横断の取り組みとして立ち上がったもの。規格外の果実に新たな価値を見出し、フードロス削減と農家支援をより多面的に進めていくことを目指している。

氷結ブランドは、チューハイという形で“浜なし”の魅力や背景を全国の人々に届ける力を持っているが、アルコールに興味のない人には、その良さを伝えるのが難しいという課題もあった。

そこで、食品サブスクリプションを提供するオイシックスと連携することで、より多くの人にそのおいしさを届ける機会を広げ、豊かな食卓づくりにも貢献していく考えだ。


オイシックスが提供する「浜なしソースがけ! BBQチキン」

こうした取り組みの具体例として、オイシックスは“浜なし”を活用した新たなミールキット商品「浜なしソースがけ! BBQチキン」を開発。8月21日に発売される予定だ。

オイシックスのミールキットは、必要な食材とレシピがセットになっており、基礎的な調味料さえあれば、自宅で手軽に本格的な一品を楽しめるのが特徴だ。すべての食材が必要な分量だけ届くため、家庭でのフードロス削減にもつながる。

筆者も実際に試食したが、スパイシーなチキンに浜なしソースの甘みが絶妙にマッチしていた。ご飯にもよく合い、子どもでも食べやすい味付けだったが、「キリン 氷結 mottainai 浜なし」との相性も良く、大人は一緒に楽しむことで、より豊かな食卓になると感じた。最後に“浜なし”をデザートにすることで、浜なしづくしの満足感を味わうことができた。

農園のリアルな声

今回のコラボに協力した、“浜なし”を栽培するJA横浜「えのき園」の園主・鮫島氏によれば、近年は5年前と比べて気候が変化し、特に暑さへの対応が大きな課題になっているという。

規格外になってしまう梨は、全体の1割前後だが、多い時には3割に達することもある。
えのき園では、これまでもそうした梨をジャムなどの加工品にまわす工夫を続けてきたが、今回のキリンやオイシックスとの取り組みも加わったことで、処分せざるを得ない梨はほとんど無くなったという。

また、「お客さんの反響は大変多かった」と鮫島氏は語る。

「キリン 氷結 mottainai 浜なし」をきっかけに農園をツーリングで訪れる人や、地方で商品を見かけた横浜出身者が懐かしさから手に取ることもあり、プロジェクトとして新たな広がりを感じているという。


「モッタイナイ!を、おいしい!に。」プロジェクトの挑戦は続く

「モッタイナイ!を、おいしい!に。」プロジェクトでは、2027年までに年間250トンのフードロス削減を目標として掲げている。

2024年の削減実績は約55トンであり、そこから約5倍という高い数値を目指し、持続的に取り組みを進めていく方針だ。

今後は、プロジェクトに関わる消費者や生産者の輪をさらに広げていく。商品購入やイベント参加などを通じた累計参加人数は1200万人を、生産者については商品提供やイベント協力に関わる延べ人数で100軒以上を目標にしていく構え。
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