映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』(英題:『Dear Stranger』 9月12日公開)の完成報告会見が5日、都内で行われ、西島秀俊、グイ・ルンメイ、真利子哲也監督が登壇した。
○真利子哲也が思う“西島秀俊の魅力”
西島秀俊にオファーをした理由を聞かれ、真利子監督はこう説明した。
「意識的に映画を観るようになってから、西島さんを俳優として認識して、好きな俳優だからお声がけさせていただいたんですけど、西島さんはボロボロになる役が似合う方だなという印象があって。それはある種、(今作は)言葉が英語ということもあって、言語に頼らず、役を演じてくれる方だなと思ったので、お声がけさせていただきました」
好きな俳優だった――。一人の映画ファンとして、真利子監督が思う“西島秀俊の魅力”とは。
「やっぱり映画に対する愛がすごく強い方だな、すごく信頼できる俳優だなという印象でした」
今回の完成報告会で司会を務めた住吉美紀は、真利子監督が話した「西島さんはボロボロになる役が似合う方だなという印象」という表現に触れつつ、こう質問した。
「私たち映画を観るものが苦しさを共有するような形で、精神的に追い込まれていく感を感じたんですけど、『追い込んでも、いいところを出すぞ』みたいな思いはあったのでしょうか」
すると、この質問に対し、真利子監督は「たぶん……」と前置きした上で、このように振り返っていた。
「西島さんと初対面でお会いした時、観てきた映画の話で盛り上がることができたんですよ。お互いに、映画っていうものを観てきた。信頼できる相手ということで、たぶん分かってくれてるなというところも含めて、どこまでいけるか。それは西島さんと共有し合えたんじゃないかなと。信頼関係があったからできたこともあったのかなと思います」
○映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』
ニューヨークで暮らす日本人の賢治(西島秀俊)と、中華系アメリカ人の妻ジェーン(グイ・ルンメイ)は、仕事や育児、介護と日常に追われ、余裕のない日々を過ごしていた。ある日、幼い息子が誘拐され、殺人事件へと発展する。悲劇に翻弄される中で、口に出さずにいたお互いの本音や秘密が露呈し、夫婦間の溝が深まっていく。