NTTドコモは8月6日、2025年度第1四半期決算を発表した。営業収益は、2024年度第1四半期の1兆4,769億円から、0.9%増の1兆4,901億円となった。
○スマートライフは増収減益、法人事業は増収増益
セグメント別にみると、営業収益ではコンシューマ事業のスマートライフ領域と法人事業で増収、コンシューマ通信領域が減収。営業利益はコンシューマ事業がスマートライフ領域/コンシューマ通信領域がともに減益。法人事業は増益となっている。
増収となったコンシューマ事業のスマートライフ領域と法人事業については、オーガニック成長がその主な要因とのこと。コンシューマ通信領域の減収の内訳は、モバイル通信サービス収入の減少が141億円、機器収入および固定・その他収入の減少が59億円。コンシューマ通信領域の利益減については、販促費用とネットワーク強靭化費用の増加が影響しているようだ。決算説明会での質疑によれば、販促費用の強化分が百数十億円、ネットワーク強靭化の費用が数十億円とのこと。販売が好調なために販売プログラムの引き当て額が増加しているとの説明だった。
コンシューマ通信は「ドコモMAX」で収支改善を目指す
コンシューマ通信の現状については、個人のハンドセット(契約数)は純増改善を継続しており、MNP収支は3四半期連続でプラスとなっているという。解約率も他社との比較で低い水準に抑えられているとのこと。なお第1四半期時点のハンドセットは2024年度第4四半期時点から減少しているが、これは法人向けで新端末・旧端末を重複して納入した状態になったりすることの影響があるとのこと。
モバイル通信のARPUは3,920円で前年同期から増減なし。6月に行った新プラン「ドコモMAX」投入の効果で、大容量プランの比率はアップしているとのことで、今後のARPU向上が期待できるとしている。「新プランの投入によってトレンドの変化があったのではないか」という質問に対しては、販売手法も変えているとのことで、大きな変化はなかったという。
収支改善のためには、この「ドコモMAX」の比率拡大によるトップラインの底上げと、先日発表された事務手数料の引き上げなどのコスト削減などをともに図っていくとしている。
スマートライフ領域では、金融事業の成長が増収を牽引。とくにdカードPLATINUM/投資サービスとの連携により金融・決済取扱高が慎重しており、5月に発表した住信SBIネット銀行の子会社化で、金融エコシステムの充実をさらに進める方針だ。dポイント経済圏も引き続き拡大していく。
法人事業は、セキュリティセンターやコンタクトセンターなどソリューション領域の成長が成長を牽引。AIエージェント「EXAWIZARDS」、生成AIサービス「Stella AI for Biz」などをパートナー企業とともに提供するなど、AI領域での事業拡大の取り組みも進めていくという。