ギャルサーとパラパラに青春を注いだ秋田のギャルが、東京へと飛び出す。専門学校進学をきっかけにクラブダンサーとなり、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で、パラパラの人気を再燃させた木村拓哉と共演――。
現在は、ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」のライバーとしても活躍するパラパラダンサー・サキに、ギャル文化と共に歩んできたこれまでを振り返ってもらった。(全3回の2回目)
○全国に広がっていたギャルサー文化
――うちの地元は奈良なんですけど、ギャルサーは奈良にもあったんですかね。
多分ありましたよ! avexから出てたパラパラのDVDにブックレットがついてくるんですけど、全国のギャルサーが載ってたんです。もう本当にどこにでもギャルサーがありました。
――そうなんですか! 当時、小学生だったので、活動時間が違ったのかな。
そうかもしれませんね。夕方くらいからスタートするんで。化粧に3時間ぐらいかかるし、1回ドンキにも寄るし(笑)。
――ドンキにも寄るし(笑)!
当時のギャルの数はヤバかったです。秋田でイベントを打っても、300人とか400人キャパのライブハウスがパンパンになって、外で列作ってるみたいな。
――すごい。ギャルサーに入ってパラパラを始めたのは15歳の頃だとおっしゃっていましたが、高校に通いながら、活動されていたんですか?
私立の厳しい学校だったんですけど、毎日昼ぐらいに行ってたら、1限、2限の単位が取れなくなって。
親に相談したら、「大検(※)取ったら別に大丈夫だよ」と言われたので、高校をやめて、すぐに大検を取りました。それからずっとギャルサーやってて、毎日パラパラの練習してました。
※「大学入学資格検定」、現在は「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)」に名称が変更。
――青春は、ギャルサーで過ごした毎日。
そうですね。私、1人暮らししてたんですけど、高校に行ってた友だちも全然いて、学校が終わると、私の家にパラパラを踊りに来てました。
○東京でもパラパラ→パラパラのDVDに出演
――その後、東京でパラパラのダンサーとして活動されます。上京されたのはいつ頃だったんですか?
専門学校に進学するタイミングです。大検を取った時の先生から、「パラパラを踊ってるんだったら、音響とか照明の専門学校に行ったら楽しいんじゃない? 東京も楽しいかもしれないよ」と勧められて、東京に出ることにしました。
――そして上京後、パラパラのダンサーの活動を開始した。
秋田でイベントをやってた時、東京からもDJを呼んでたんですね。その中に、有名なイベントを主催しているDJがいて、その人に「東京行くことになりました」と言ったら、「じゃあ、なんか一緒に東京でやろうよ!」みたいな感じになって。
それで、クラブのダンサーになったんですけど、そこにavexの人がよく来てて、「パラパラのDVDに出なよ」と声をかけてもらいました。
――巡り合わせですね。
そうなんです。運がいいっていうか。
○『スマスマ』で木村拓哉と共演
――パラパラのダンサーとして、『スマスマ』にも出演されたとか。
ジュリアナ東京が一夜限りの復活をするっていう企画で、「NIGHT OF FIRE」を含めたメドレーでパラパラを踊りました。ジュリアナ東京で踊ってた皆さんもいて、30人くらいいたんじゃないかな。曲によって、ダンサーが入れ替わって、SMAPさんのバックで踊るんです。
――『スマスマ』では、木村さん扮するバッキー木村というキャラクターがパラパラを踊るコントがありましたよね。
私も観てました! 一緒に踊れると思ってなかったから、感動しました。本当にオーラすごすぎて、めっちゃ緊張したんですよ。絶対に間違えられないのに、すごく高いヒールを履いて踊らなきゃいけなくて。
しかも、真ん中のほうで、木村さんの後ろで踊るっていう。
――それは緊張しますね……。木村さんと言えば、スタッフや共演者への気遣いがすごいとよく聞くのですが、いかがでしたか。
そう! 超優しかったです。入ってきた瞬間、ダンサーみんなにちゃんと挨拶してくれて。
――2、30人もいるダンサーみんなに。
ジュリアナ東京で有名だった女性がいたんですけど、木村さんと一緒にお仕事をされたことがあったみたいで。そしたら、木村さんがその人を見つけて、「おお!」みたいな。そんな感じで覚えてくれてるんだと思って、驚きましたね。
――ちゃんと一人ひとりのことを見て、挨拶してくれていることが伝わってきます。
とにかく、すごかったです。リハーサルは結構、軽い感じで踊ってたのに、本番が始まったらもうバシッと決める。
プロはすごいなと思いました。
■プロフィール
サキ
5月7日生まれ。秋田県出身。パラパラダンサーとして、『水曜のダウンタウン』(TBS系)や『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)などに出演。GACKTが2009年に発表した楽曲「小悪魔ヘヴン」のバックダンサーも務めた。現在はライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」のイチナナライバーとして活動しながら、ライバー事務所「PARALALIA」の代表も務める。オリジナル楽曲制作サービス「ウタツク」クリエイティブディレクター。
編集部おすすめ