『ゼスプリ・プレスセミナー 栄養バランスのお手本! 世界に誇る日本の「給食」を家庭に応用 キウイを使った簡単“ヘルパ料理”で夏を乗り切る! ~日本一の学校栄養士・松丸奨先生考案! 絶品レシピ~』が、7月28日に開催された。

本セミナーでは第8回全国学校給食甲子園で優勝し、メディアなどでも活躍する管理栄養士・栄養教諭の松丸奨氏が登壇。
夏休みの昼食などに参考したいキウイを使った“ヘルパ料理”を紹介した。

○■日本人の栄養意識と現実のギャップ

忙しい日々を送る中で、毎日栄養満点の美味しい食事を用意することは至難の業。酷暑が続く夏は、食欲の減退や胃腸の不調など体調を崩しやすい季節でもあり、給食が無い夏休みは子どもの食事に悩む保護者も少なくない。加えて、食材の高騰も家計の負担となり、食卓の悩みをいっそう深まっている。

そこで注目されているのが、決められた時間やコストの中でプロが栄養バランスを計算して考案した「給食」だ。

家庭の食卓にも活かせる給食のノウハウを紹介するゼスプリ インターナショナル ジャパン主催の本セミナー。その冒頭で同社のPRマネージャー・栗田麻衣子氏は、「キウイフルーツの豊富な栄養と健康価値、栄養改革プロジェクト」と題して講演を行った。

「日本人の食事や栄養に対する意識を把握するため、弊社が実施した一般生活者1万人を対象にした調査では栄養バランスの取れた食事を取りたいと考えている方が9割以上存在する一方、毎日摂れている人は約2割と大きなギャップがありました。また、毎日の忙しさ、個食による食生活の偏り、食品価格の高騰や栄養に関する知識不足から、果物をほとんど食べない方も全体の4割にも上っています」(栗田氏)

日本人の食生活は健康的と思われがちだが、厚生労働省の調査では日本の成人の3人に1人が栄養不良に陥っているなど、現代人の食生活には大きな課題があるとされる。

そこでゼスプリでは10種の栄養素が詰まったキウイフルーツを通して日本の生活者に貢献するべく、昨年8月4日の“栄養の日”に「栄養改革プロジェクト」を立ち上げた。

「本プロジェクトの一環でフルーツに関する実態を調査したところ、日本の果物の摂取量は160カ国中152位と非常に低く、地中海食で知られるギリシャの約4分の1に過ぎないことがわかりました。別の調査では果物は栄養バランスの良い食事に有効と考える人の割合からも、欧州などの海外と日本では大きな意識の違いがあります」(栗田氏)

主要な17種類の栄養素が一日当たりの摂取基準に対し、どの程度満たされているのかを示す“栄養素充足率スコア”で、キウイは身近な果物の中でトップクラス。
日々の栄養バランスのサポートに最適な選択肢の一つになるという。

「フルーツはビタミンやミネラル、食物繊維など不足しがちな栄養素を手軽に補うのに適していますが、中でも栄養価が高いキウイフルーツは簡単に栄養バランスをサポートできます。代表的な栄養素としてはビタミンCや食物繊維、カリウムや葉酸など10種の栄養素が挙げられ、グリーンキウイは腸内環境の改善など胃腸の健康、サンゴールドキウイは免疫機能や抗酸化状態の改善に寄与すると考えられます」(栗田氏)

○■海外からも注目の日本の学校給食、家庭にも応用できるノウハウ

本セミナーの後半には学校給食のプロである管理栄養士・栄養教諭の松丸氏が登壇した。
松丸氏は現在、東京都文京区の公立小学校で管理栄養士として勤務。給食の献立作成や調理指導、食育授業に尽力し、2013年には第8回全国学校給食甲子園で2,266校が出場する中、男性栄養士として初めて優勝している。

「今回、“世界に誇る”とテーマにあるように、日本の学校給食はとても注目されています。欧米などでは子どもたちの肥満率や糖尿病率が増加傾向にあり、社会的な問題にもなっている中で日本の給食は栄養士が献立を考え、食育も学べる日本の学校給食は海外からも多く視察にいらっしゃっています」(松丸氏)

学校給食は「栄養素のバランスが良い」ことはもちろん、限られた時間と予算で美味しく、かつ楽しさ・学びといった食育にもつながる献立づくりがポイント。一般家庭に応用できるノウハウも多く、最近は近隣の小中学校の献立表を掲示するスーパーマーケットなども存在するようだ。

「センター給食などでは食材をまとめ買いしていますが、旬の野菜・食材をたくさん使うことがコスパでは大事です。お肉の代わりに豆腐でかさ増しすることもよくありますし、定番の野菜やひき肉の冷凍保存も安くて便利です。タイパについてはレンチンをどんどん活用してほしいと思います。最初に野菜を600ワット3分とかで加熱するとフライパンでの炒め時間も短くなりますし、洗い物も減ります。
出来合いの惣菜に野菜などを足してアレンジするのもいいですね」(松丸氏)

好き嫌いせずに食べてもらうため給食ではカレーライス、混ぜご飯、豚汁などの人気メニューに混ぜ込むということも“あるある”。苦手な食材と好きな食材がスプーンの上に一緒に乗るサイズ感で切ることも大切だという。

「主食・主菜・副菜を揃えるのが大変な時、調理いらずでビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富な果物はとても頼れる存在です。キウイに含まれるカリウムはむくみや疲れに効きますし、食物繊維はお腹やメンタルの健康にもつながる研究もあります。ビタミンEは若返りの栄養素と言われ、子どもにとっても毎日を元気に過ごすために、とても大事な栄養です。他にも葉酸やビタミンCなど、キウイには毎日摂りたい10種の栄養素がバランスよく含まれている優秀な食材なので、ぜひ日々の食事に取り入れてほしいと思います」(松丸氏)

○■キウイで栄養効率アップ! 松丸氏が紹介する3つの簡単レシピ

本セミナーで松丸氏はキウイを活用し、少ない食材でより多くの栄養を簡単に効率的に摂取する“ヘルパ(ヘルスパフォーマンス)料理”のレシピを紹介。その中から「白身魚のキウイソース」「キウイチヂミ」「簡単絶品キウイパイ」を調理するデモンストレーションも行われた。

主菜・副菜におすすめされたのが、集中力&学習能力アップにもおすすめの「白身魚のキウイソース」というメニュー。

「香辛料やハーブの香りで、脳を刺激して集中力&学習能力アップにつながるので、白身魚のキウイソースでは調味料の中にカレー粉が入れたり、仕上げにバジルをまぶしたりしています。脳をつくる材料となる魚ですが、白身魚はキウイとすごく合うので、ぜひ試してみていてください」(松丸氏)

お昼に活躍する一品料理としてヘルシー&満足な便利レシピの「キウイチヂミ」と、おやつには「簡単絶品キウイパイ」も紹介された。

「チヂミにキウイも非常に美味しいです。チヂミは普通薄く焼くものなんですけど、今回のレシピでは3枚分を1回で焼きます。
時短で油を使う量も減るのでヘルシーです。キウイは上からかけたり、タレの中に入れたりするととろみが出ておいしくなります」(松丸氏)

3メニューのレシピは以下の通り。日々の食事やおやつにキウイを積極的に活用してみてはいかがだろうか。

<白身魚のキウイソース>
1.タラに小麦粉で衣をつける。トマトは乱切り、ミニトマトは半分、アスパラガスは食べやすい長さに切る。
2.フライパンを中火で加熱、オリーブオイルを入れて魚を両面きつね色になるまで炒める。
3.魚の入っているフライパンにトマトとミニトマトとアスパラガス、白ワインと鶏ガラスープの素を入れて、フタをして3~5分蒸し焼きにして完成。
4.粗熱が取れてから、トッピングでバジルをちぎって飾り、キウイのスライスもカットして飾る。

<キウイチヂミ>
1.ニラは短冊切り、人参はせんぎり、玉ねぎとパプリカはスライスにする。
2.ボウルにカットした野菜、粉、卵、水を混ぜる。
3.フライパンに炒め油を入れて、生地を入れる(厚みを出すために一度に入れることで、使用の油を控えられる)。弱火~中火で生地を両面焼いていく。
焼き上がったら正方形にカットし、粗熱が取れてから上に角切りにしたキウイを飾って完成。

<簡単絶品キウイパイ>
1.冷凍パイシートを常温で15分程度出して解凍する。
2.パイシートを4枚分に切り、好きな折り目をつけておく。
3.焼きプリンを軽くほぐしてから生地の上に乗せて、周りに卵黄を塗る。
4.オーブン余熱200℃で加熱して15分焼く。
5.粗熱が取れてから、細目のいちょう切りにしたキウイを乗せて完成。

伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら
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