キリンビバレッジは9月23日に『キリン 午後の紅茶 FRUITS & ICE TEA オレンジとグレープフルーツ』および『同 白ぶどうとレモン』の2品を発売する。どちらも500mlのペットボトルで、希望小売価格は198円。
担当者は「普段、紅茶を飲まないという人にも手に取りやすい、リフレッシュしたいシーンにぴったりな新商品です」とアピールする。
○■新商品の概要
『午後の紅茶 FRUITS & ICE TEA オレンジとグレープフルーツ / 白ぶどうとレモン』は、丸ごと搾った果汁の甘酸っぱさを、爽やかな紅茶で仕立てたもの。すっきりとした味わいを実現している。「紅茶が作る多様なおいしさと幸せをお届けしたい」という想いから開発に至ったという。
『午後の紅茶 FRUITS & ICE TEA オレンジとグレープフルーツ』は、オレンジとグレープフルーツの甘酸っぱさに爽やかな紅茶をかけ合わせた仕立て。甘さすっきりで、ごくごく飲める味わいになっている。果汁は7%で、ビタミンCは100ml当たり15mg以上を含む。
『午後の紅茶 FRUITS & ICE TEA 白ぶどうとレモン』は、みずみずしい果汁感の白ぶどうとレモンを組み合わせ、紅茶を加えることで爽やかですっきりとした後味にした。果汁は7%で、ビタミンCは100ml当たり7.5mg以上を含む。
○■紅茶市場は拡大中
キリンビバレッジ マーケティング部の川名翔子氏は、紅茶カテゴリにおけるマーケットは拡大を続けていると説明する。「コロナ禍でのおこもり需要におけるニーズの高まりをきっかけに伸長を続けており、現状、コロナ禍以前との比較で123%まで大きくなりました」と川名氏。
同氏は紅茶の強みとして、様々な産地、品種、フレーバーがあり、ティーラテ、アイスティー、フルーツティなど飲み方も自由であり、また自然由来の茶葉を使用することでポリフェノールを含む=健康的というポジティブなイメージも得られていることから、消費者から支持されていると分析する。
もちろん、課題も残されている。たとえば、他の清涼飲料水と比べて「飲むシーンが分からない」という人が多く、また紅茶飲料=甘い飲み物という先入観を持っている人も多い。これらの課題を解決するため、キリンビバレッジでは“無糖紅茶”の取り組みを強化するとともに、紅茶の多様性を活かした新たな提案を続けていく。
マーケティング部の大澤寛文氏は「そこで新商品では、果汁×ティー、という提案に至りました」と紹介する。これは「仕事の休憩時はすっきりとした甘いものをゴクゴク飲んで気分を上げたい」「甘いものが飲みたいときは果汁を選んでいる」といった声に対応したものだという。ポイントとなるのが「紅茶に果汁を入れる」のではなく「果汁を紅茶で割る」という発想。「果汁を入口に、多様な紅茶の楽しみ方を広げる新しいスタイルのアイスティーです。紅茶が持つ上品なイメージを活かし、幅広い世代のリフレッシュシーンを獲得していきます」と大澤氏。
味覚設計としては、甘さはすっきりで、日中に飲み続けやすい飲み口の実現を目指した。具体的には、飲み始めに「まるごと搾った果汁のさっぱりした甘さと酸味」が強く感じられ、飲み終わりに「渋味・苦味がない紅茶の清涼な余韻で後ギレの良い味わい」が感じられるようにしている。普段、低果汁飲料を飲んでいるユーザーからは「アイスティーだから、いつもの果汁飲料よりさっぱり飲める」「紅茶の渋さやクセがなくて思った以上に飲みやすい」「このすっきりした感じだったら仕事中にも、お風呂上がりでも飲めそう」といった反応が寄せられたという。
商品開発研究所の大澤拓凌氏は、味つけについて説明した。
果汁入り飲料における課題は、甘さが後残りしてしまうことと、果汁が強すぎると子どもっぽくなってしまうことにあった。そこで、果汁の「満足感」と「すっきり感」を念頭に置いたフルーツティーの開発に着手した。様々なフルーツ・茶葉で複数のパターンを試作したところ、目標にイチバン近づいたのが「オレンジ×グレープフルーツ」「白ぶどう×レモン」に「ウバ茶葉」をかけ合わせたものだったという。
新商品では、紅茶非ユーザーに向けて多様な楽しみ方を提案していく考え。川名氏は「紅茶は清涼飲料水のカテゴリにありながら、日常生活の中で一般のお客様が『いま紅茶を飲みたいな』と思い浮かぶシーン、回数がまだまだ少ないと感じています。紅茶が好きで、普段から愛飲くださっているお客様にはもちろん、まだ紅茶と出会っていないお客様にも『こんな商品があるんだ』と気づいてもらうことが、紅茶市場の拡大のためにもとても大事だと考えています」とあらためて説明する。
そこで『午後の紅茶 FRUITS & ICE TEA』は、過去のフルーツティーとは異なる販売方法で展開する。マーケティング部の大澤氏は「従来の紅茶棚ではなく、リフレッシュしたいお客様が立ち寄る場所と想定する低果汁棚と自動販売機で販売します。新たなお客様接点を創出して、果汁×ティーの飲用体験を広げていきます」と説明。川名氏は「紅茶市場をどんどん拡大していけたら。当社でも今後、引き続き様々なフレーバーと掛け合わせるなどのチャレンジを続けてまいります」と話していた。
近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。
出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら
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