ウェルネス総合投資アカデミーは8月27日、「夏のボーナス活用法の変化」に関する調査の結果を発表した。調査は2025年8月18日~8月19日、今年の夏にボーナスをもらったと回答した男女1,004人を対象にインターネットで行われた。

○2025年夏のボーナス、約半数が「上がった」と回答

「2025年夏のボーナスは上がったか」について尋ねたところ、「はい(49.9%)」「いいえ(50.1%)」という回答結果になった。ボーナスが上がった人と上がっていない人がほぼ半々という結果だった。このことから、物価高の影響が一部には補填されている一方で、依然として収入が伸び悩んでいる層の存在がうかがえる。
○「老後資金・生活費」に対する不安の実態

次に、こうしたボーナスの状況を踏まえ、収入の現状が働く人々の将来への不安にどのようにつながっているのかを尋ねた。

「今の働き方や現職に対する不安を感じているか」について尋ねたところ、約7割が「とても感じている(27.0%)」「やや感じている(47.3%)」と回答した。多くの人が今の働き方や現職に関する不安を抱えているというのは、働く世代において、収入面だけでなく職業上の安定性や将来性に関しても懸念を抱える人が多いことを示している。

前の質問で「とても感じている」「やや感じている」と回答した人に、「どのような不安を感じているか」について尋ねたところ、「給与や賞与が少ない・安定しない(48.5%)」「昇給・昇進の見込みがない(42.6%)」「業界や会社の将来性が不安(28.4%)」が上位となった。「給与や賞与の安定性」および「昇給・昇進の見込み」が不安の上位を占め、収入とキャリアの見通しに不安を感じていることがわかった。また、「業界や企業の将来性」への不安も一定数の回答があり、経済的な見通しだけでなく、キャリアの発展性や働く環境への安心感が求められていることが読み取れる。

○不安を解消するために取り組んでいる対策

「将来の金銭的な不安を解消するために、現在取り組んでいること」について尋ねたところ、「投資(32.2%)」が最も多く、「家計の見直し(節約・固定費削減など)(23.1%)」「健康管理・生活習慣の改善(17.2%)」となった。不安を解消するための取り組みとして「投資」が最多になり、個人資産形成への関心が高まっていることが示された。

前の質問で「投資」と回答した人に、投資を始めた時期について尋ねたところ、「6年以上前」が最多で約4割となった。
「2024~2025年」という最近始めた人も約2割に上り、新制度や現在の経済状況を契機に投資を始めた人もいるようだ。これは、新NISA制度の影響や資産形成ニーズの高まりが、投資参入のきっかけになっている可能性を示している。

「現在保有している投資資産の評価損益」について尋ねたところ、評価損益がプラスであるという回答が多数を占めた。「+200万円以上」が約3割と、かなり成果を挙げている人が一定数いるようだ。損失を抱えている方が非常に少数であることも、運用成果の安定性あるいは過去の市場回復を反映している可能性がある。

投資の成果がプラスとなっている人が多い中で、実際にボーナスを投資に充てるとしたら、どのようなことを意識するのか。詳しく聞いたところ、「限度額を決める」(40代/女性/広島県)、「安定性重視」(40代/男性/北海道)、「無理のない金額を投資する」(40代/男性/北海道)、「長期的に見て利率が良いこと」(40代/女性/愛知県)、「リスク分散」(50代/女性/神奈川県)といった回答が寄せられた。

「リスク分散」「限度額設定」「安定性の重視」など、堅実かつ計画的な姿勢が共通して見られた。一時的な収入であるボーナスを、衝動的ではなく戦略的に活用しようとする意識がうかがえる。投資に対する期待だけでなく、慎重な姿勢と長期視点の両立を目指す生活者の実像を示しているといえる。

「投資を始めて良かったと思うか」と尋ねたところ、約9割が「とてもそう思う(50.5%)」「ややそう思う(44.3%)」と回答した。

投資を始めた人の大多数が「良かった」と肯定的に評価しており、高い満足度がうかがえる。
これは、実際の成果や資産形成の手応えに加え、将来への備えができつつあるという心理的安心感が反映されている可能性がある。一方で、わずかではあるが、「良くない」と感じている人も存在し、投資リスクや将来の不透明さへの配慮が重要であることが示された。
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