CHINTAIは8月20日、防災意識や実際の備えに関する調査の結果を発表した。調査は2025年7月22日、賃貸物件で一人暮らしをしている20代~40代の男女400人を対象にインターネットで行われた。
○約3人に2人が防災を意識せずに物件を選択
「物件選びの際に防災を意識しましたか?」と尋ねたところ、「まったく意識しなかった」「あまり意識しなかった」と回答した人が66.7%にのぼり、約3人に2人が防災を意識せずに物件を選んでいたことがわかった。
○物件選びで重視した防災ポイント
物件選びの際に、防災の観点で意識した点で最も多かったのは「建物構造(耐震・免震・制震など)を確認して選んだ」(34.6%)だった。次いで「ハザードマップを確認して、水害・土砂災害エリアを避けた」(33.8%)、「新耐震基準(1981年以降に建築確認)を満たしている物件かどうかを確認した」(24.8%)が続いた。なお、「なんとなく安全そうな地域を選んだ」(19.6%)や「きれいで新しい建物のほうが災害にも強そうと思った」(16.5%)といった印象ベースの回答も一定数見られた。
○引越しを機に防災意識が高まった人は約4人に1人
「引越し後、防災に対する意識はどう変化しましたか?」については、「とても高まった」「少し高まった」と答えた人は27.5%にとどまった。約半数は「変わらない」または「以前より意識が薄れた」と回答しており、生活環境の変化が必ずしも防災意識向上に結びついていないことがわかった。
○防災グッズを備えていない人、3人に1人以上
現在、自宅に備えている防災対策グッズを尋ねたところ、多かったのは「飲料水(2L以上の備蓄)」で34.5%、次いで「非常食」(31.8%)「懐中電灯/ランタン」(31.5%)「モバイルバッテリー」(30.8%)が続いた。一方で、「特に何も準備していない」と回答した人も36.5%にのぼり、3人に1人以上が防災グッズを全く備えていない実態が明らかになった。また、携帯用ラジオ、簡易トイレ、防災リュックなど、災害時に有効なアイテムの備蓄率はいずれも1割前後にとどまっており、いざという時の備えが十分とはいえない現状が浮き彫りとなった。
性別ごとの備え方を比較すると、男性は「特に何も準備していない」が1位となり、飲料水やモバイルバッテリーなどを上回った。一方、女性も「特に何も準備していない」が2位に入り、備え不足は共通の課題となった。しかし、1位の飲料水や3位の非常食、4位の懐中電灯/ランタンなど基本アイテムの備蓄率は高く、さらに簡易トイレや携帯カイロ・防寒具など、生活面の安全性を意識した用品も上位に入る点が特徴的だった。