「オカネコ」を運営する400Fは9月3日、「オカネコ 退職金に関する調査」の結果を発表した。調査は2025年8月23日~8月24日、自身または身近な家族や友人で退職金を受け取った経験、または今後受け取る予定のある242人を対象に、インターネットで行われた。
○退職金の使い道、過半数が「不安・疑問あり」
退職金の使い道について不安や疑問を感じることがあるか尋ねたところ、53.3%が「ある」と回答し、過半数が何らかの懸念を抱いていることが明らかになった。
具体的な不安として多かったものは、1位「老後資金として足りるか不安」54.5%だった。次いで、2位「投資や運用で損をしてしまわないか」25.2%、3位「何から手をつければいいか分からない」14.1%という結果になった。
この結果から、退職金が老後の生活を支える上で十分なのか、またどのように管理・運用すべきかについて、多くの人が大きな悩みを抱えていることがうかがえる。
○退職金の失敗談
退職金の使い道について「失敗した」と感じる経験の有無を尋ねたところ36.4%が「ある」と回答した。
失敗談の中で多くを占めたのは1位「退職金を現金で放置してしまった(運用せずに目減りした)」20.5%だった。次いで2位「専門家に相談せず、一人で判断してしまった」17.3%、3位「老後資金として残す分を決めず、生活費で使いすぎてしまった」15.0%だった。
この結果から、失敗の多くは退職金を受け取ったもののどのように活用すべきか分からず、「何もしなかったこと」や「専門家に頼らなかったこと」への後悔であるということが分かった。
○退職金の成功談
退職金の準備や使い方について「これはやっておいてよかった」と思う成功談を尋ねたところ57.8%が「ある」と回答した。
成功談の中で多くを占めたのは「退職金を受け取る前から投資を始めた」23.9%だった。次いで2位「退職後の具体的な収支シミュレーションを行った」18.2%、3位「退職金を受け取る前に、書籍やインターネットで情報収集をした」17.0%という結果になった。この結果から成功の鍵は、退職後のことを見据えた「早めの行動」と「情報収集」にあることが示唆される。
○失敗を避けるための「情報」と「専門家」への需要が明らかに
退職金に関する情報やサービスとして、どのようなものがあれば役立つかを聞いたところ、すべての選択肢が約2割以上の支持を集める結果となった。ニーズが高かったもの1位は「老後資金のシミュレーションツール」55.0%、次いで2位「退職金の活用事例や失敗談をまとめた情報サイト」40.1%、3位「専門家(FPなど)に気軽に相談できるサービス」28.9%という結果だった。
この結果は、退職金の活用に際して多くの人が、他者の成功・失敗事例から学びたいという「情報へのニーズ」と、専門家から直接アドバイスを受けたいという「相談ニーズ」を強く持っていることを示している。特に、最も低い選択肢でも2割近い支持があることから、退職金に関する悩みは多岐にわたっており、1つだけの解決策では不十分であることも考えられる。