コスモエネルギーホールディングスが本社を移転した。1986年のコスモ石油発足から数えて今年で40周年の節目を迎えたコスモにとって、本社の場所を移すのは今回が初めて。
新オフィスの特徴を現地で探ってきた。

ABWを導入! 多様な働き方に対応

新オフィスには2つの特徴があるという。ひとつはフリーアドレスの採用。もうひとつはABWを実現する多様な席種だ。

ABWとは「Activity Based Working」(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の略。仕事内容や気分により、社員自身が働く時間と場所を自由に選択できるオランダ発祥のワークスタイルだ。

例えば、資料作成のように1人で集中して作業を行いたい時は個室で、チームで話し合う時はファミレスなどの集まりやすい場所でといったように、業務内容によって最も適した場所を自由に選ぶことができる。仕事の質や効率を高められる働き方として、コロナ禍以降、導入する日本企業が増えている。

これらの席種は、大前提としてフリーアドレスでなければ完全には機能しない。そのため、新オフィスではフリーアドレスを採用している。

新オフィスに込められたグループ理念実現への思い

新オフィスで目指すのは、コスモエネルギーホールディングスが掲げるグループ理念の実現。こう話すのは、常務執行役員の岩井智樹さんだ。


グループ理念の実現に必要なこととして掲げる6つの価値観のうち、「誠実」「共生」「安全」は、これまでコスモグループが浸透させてきた価値観で、コスモらしさそのものと言えるものだ。

「『誠実』は、何においても誠実でなければダメだということで、最も大切な価値観です。それに基づく『共生』は、地球環境や地域社会との共生、社員とお客さま、社員と取引先、社員同士も含めた全ての共生だと我々は考えています。そして『安全』ですが、弊社はビジネス上、危険物を取り扱うということで、装置の安全性も当然のことながら、関わっていただくステークホルダーの皆様の心と体の安全も実現していきたいと考えています」(以下、カッコ内は岩井さん)

一方、「挑戦」「自発」「進化」はこれからじっくりと育んでいきたい価値観だという。

「『挑戦』ですが、これは既存の事業においても“こういうことを試してみよう”“こういうところを変えてみよう”という発想が非常に大切になると思っています。何かをイノベーションしていくには、自分から動かないといけないところがありますので、『自発』という言葉もキーワードとして浸透を図っています。その結果として、会社と社員のそれぞれが『進化』していく。『進化』していく部分に喜びを感じていただきたいんです」

新オフィスは、「価値観の中の『共生』と『自発』を実現できる場」だと岩井さんは話していた。

安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら
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