AlbaLinkは9月8日、「やってみたい投資に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2025年8月27日~28日、投資に興味がある社会人500名を対象にインターネットで行われた。

○投資に興味を持ったきっかけ

投資に興味がある社会人500人に「投資に興味を持ったきっかけ」を聞いたところ、圧倒的な1位は「老後資金への不安(40.0%)」だった。

2位「周囲に経験者がいた(21.4%)」と答えた人の割合も20%以上と高くなっている。3位以降は差が開いて、3位「教育資金を準備したい(7.0%)」、4位「銀行に預けても増えない(6.4%)」、5位「お金を増やしたい(4.8%)」が続く。

「老後資金」「教育資金」「給料だけでは苦しい」など、投資をしないと生活が厳しくなるという不安を抱えている人が多いとわかる。将来への不安が、人々に投資への関心を呼び起こしているようだ。また周囲に経験者がいたことをきっかけにした人も20%を超えており、「身近な体験談や成功例」も強い動機になるとわかった。
○1位「老後資金への不安」

「老後資金への不安」を選択した人からは、「自分の将来を考えたときに、国民年金に頼れないと思ったから。老後資金のため」(20代 女性)、「老後資金についてニュースやSNSで言われているので『少しでも資金面で余裕をもてれば』という理由から投資に興味を持ちました」(30代 男性)、「収入の激減がきっかけで、投資で老後の不安を解消できればと思いました」(50代 女性)といった声が寄せられた。

老後資金への不安は、20代から60代以上まで、世代を問わず多くの人々を投資へと突き動かす要因だとわかった。「国民年金や退職金だけでは安心できない」「老後資金を確保できるのか」という疑問や悩みは、ニュースやSNSでも見られることがある。不安を煽るような情報に触れることで、個人の不安も強くなりやすいと考えられる。なお老後資金が不安だと感じたきっかけとしては、SNSやニュースのほか、「収入減」「シミュレーションしてみたら足りなかった」などがあった。

○2位「周囲に経験者がいた」

「友人や家族が投資を始めていると知ったから。周りはNISAや株をしていて、みんなで集まったときに話題にのぼるので、少し気になっている」(20代 男性)、長年の友達が『投資をして儲けた』と言っていたから(30代 女性)、「昔母方の祖母が投資を行っていたのがきっかけ。15年前に母も投資を始めていたので、いつか必要になると思っていたから」(40代 男性)など、友人や家族が投資で成果を得ている姿を見たり、話題として耳に入ったりすることで、自分もやってみたいという気持ちが芽生えたケースも。信頼できる人の体験談は、ネットの情報よりも親近感や説得力があるようだ。また、投資は特別な人がやるものではないと感じられ、「自分にできるかも」と思いやすいのかもしれない。
○3位「教育資金を準備したい」

3位「教育資金を準備したい」には、「子どもが3人いるので、教育費や将来の生活費を考えると『今のままの貯金だけでは不安だ』と感じたのが投資に興味を持ったきっかけです」(40代 男性)、「子どもが大学へ進学し教育費がかかるようになり、生活費の捻出が苦しくなった。少しでも資金調達をしたくて、方法のひとつとして興味を持った」(50代 男性)といった回答が寄せられた。

子どもの誕生や成長に伴い、習い事・塾や進学にかかる費用が現実的に迫ってくるため、養育費や教育費について考えることが増える。そこで教育資金の準備方法として、投資を考えた人も多いとわかった。子どもに十分な機会を与えたいという前向きな親心が、投資のきっかけになることも多いとわかる。
○4位「銀行に預けても増えない」

「銀行にお金を置いておくだけでは、お金が貯まらないから」(20代 男性)、「預金金利が低くて、貯金ではまったく増えないため」(60代以上 男性)といった声も多く挙がった。

日本では長く低金利の環境が続いており、銀行にお金を預けても、増える額はわずか。
とくにバブル期などの高金利を経験している人からすれば、低金利の銀行預金が資産形成につながらないことは、強く感じられると想像できる。結果として、銀行に置いておくだけではもったいないという感覚になり、より資産を成長させる効果を見込める投資への関心が高まっているようだ。
○5位「お金を増やしたい」

「資金を増やしたいから、ひとつの手段として」(20代 女性)、「もっと収入や資金を増やしたいと思ったときに、ネットで調べて投資が出てきた」(30代 男性)といった声もあり、単純に資産を増やしたいという願望も多くなっている。給与や預金では大きな伸びが期待できない時代に、お金を増やす手段として投資を選択しようとする人も多いようだ。「開業資金にしたい」「趣味に使いたい」など、特定の目標がある人もいた。
○6位「給料だけでは苦しい」

低収入であったり給料が伸び悩んでいたりして、現在の給料に不満があり、投資に関心を持った人もいるようだ。具体的には、「単純に毎月の給与収入だけでは生活がキツいためです。『投資で資産運用することで、給与収入だけの生活よりも、将来的に資産が増える』という情報を多々見るため、見る度に興味が湧きます」(20代 女性)、「働いて稼ぐ給料だけでは、将来が不安になったから」(30代 女性)、「勤め先での昇給が望めなくなったためです」(40代 男性)といった声が挙がっている。

本業以外の収入源になる副業を探しているときに投資を知り、興味を持った人もいた。本来投資は余裕資金で行うものとされるが、余裕がないから投資が必要というケースもあることがわかる。
○7位「物価高への不安」

「給料が上がらないのに物価高で、将来が心配になりました」(40代 女性)、「物価高のため。手持ちの資産を少しでも増やしたい気持ちが強くなった」(50代 女性)などの理由から、投資に興味を持つようになった人もいた。
生活コストの増加から生活を守るために、投資でお金を稼ごうとしている人も多いとわかる。将来の備えや余裕資金の運用というだけではなく、投資は今の生活を維持するための方法としても考えられているようだ。

○やってみたい投資

「やってみたい投資」の1位になったのは「株式投資(53.4%)」で、全体の半数以上にのぼった。2位は「投資信託(14.4%)」、3位「不動産投資(14.0%)」、4位「仮想通貨(13.0%)」が続く。

投資と聞いたときにパッと思い浮かぶ人も多いであろう「株式投資」が1位という結果に。株式投資が投資の王道として広く認知されていることがわかる。また「株式投資」「投資信託」「仮想通貨」「金投資」などは、積立を使うと比較的少額から始められるのも特徴だ。
○1位「株式投資」

株式投資に関心を持つ理由としては、「大きなリターンを狙える」(30代 女性)、「株主優待制度や配当金など、大きなリターンがなくても貯金するだけよりもお得だと思うから」(50代 男性)、「少額投資やポイントを利用した投資ができるようになったこと。新NISAなど税制面でも始めるハードルが下がったようにも思います。また昔より情報を得られやすくなった」(40代 女性)などが挙げられた。

「大きなリターンへの期待」「値上がり益以外の稼ぎ方がある」などの他、メジャーな投資のひとつなので、情報が豊富なのもメリットのようだ。リターンに見合うリスクはありつつも、始めやすく、多様なリターンを得られる投資として注目されることがわかった。
また、ポイント投資や単元未満株(通常の最低売買単位に満たない状態で取引すること)を使えば、比較的少額から気軽に取引可能。そのため、少額からなら始められそうと考える人も多いと推測できる。
○2位「投資信託」

投資信託をやってみたい理由としては、「初心者へのおすすめに出てきて、比較的安心してできそうだから」(20代 女性)、「少額から始められるのでスタートのハードルが低いと思うし、まずは勉強のつもりでやってみたい」(30代 女性)といったように、安心感と始めやすさを挙げた人が多かった。

投資信託は比較的少額から投資を始められ、実際の運用はプロ(ファンドマネージャー)に任せることができる。また投資信託の中にはさまざまな株・債券や別の投資信託が組み込まれているため、投資信託をひとつ購入するだけで分散投資も可能。そうした安心感から、投資経験を積むための第一歩としても選ばれやすいようだ。
○3位「不動産投資」

3位「不動産投資」には、「不労所得がいいなと興味を持ったからです。自分でうまく運用すれば、ずっと人は入って回りますから、働くよりずっといいなと思ってます」(20代 女性)、「友人がやっていて、かなり裕福な生活をしていると聞いたから」(30代 男性)、「駅近のワンルームなら、必ず埋まりそう」(40代 女性)といったコメントが寄せられた。

もし、確実に入居者が集まる賃貸物件を所有できれば、長期安定的に収入を得ることができる。実際、身内や友人に「大家さん」「地主さん」がいて、裕福な生活ぶりを知って憧れているケースもみられた。また実際に土地や建物を購入して投資する場合(現物投資)に、目に見える資産が手元に残ることを魅力として挙げた人も複数いた。資産が手元に残れば、遺産として家族に残すことができる。

○4位「仮想通貨」

仮想通貨は何と言っても話題性があり、成長性の面でも注目されている。「仮想通貨は長期で見たときに価値が大きく上昇しており、今後も伸びが期待できるので、長期保有する投資先としては最適であると考えたから。また株などの投資先よりも投資している人が少なく、少し勉強すれば稼ぎやすいと思ったからです」(20代 男性)、「変動が激しい分、儲けると高額な利益がゲットできそうだから」(60代以上 男性)など、長期的な価格上昇に期待する人や、値動きが激しいことから一攫千金できるかもしれないと考えている人もいるようだ。全体的に仮想通貨は、高リターンの投資として関心を集めているとわかる。また、貯めたポイントを仮想通貨投資に回せるポイ活アプリなどもあり、仮想通貨投資が身近な存在になっていることも伺えた。
○5位「FX」

FXを選んだ人からは、「1日で大きな金額を動かせるから」(20代 女性)、「株式市場と違い、時間にとらわれずできそうだから」(30代 男性)、「少ない資金でも大きな取引ができる」(40代 男性)といったメリットが挙げられた。

FXの特徴は、「証拠金」と呼ばれるお金を担保として差し出すことで、手持ち資金よりも大きな金額の取引ができること。そのため、成功すれば少ない資金で大きく儲けられる点に惹かれている人も多くなった。ただ失敗すれば手元の資金以上の損失が発生してしまうので、注意が必要となる。また株式とは違い、FXはほぼ24時間取引できる。会社員でも退勤後に取引できるなど自由度が高いので、時間に縛られない副収入獲得の手段として注目している人もいた。
○6位「金投資」

金投資には、「人気があり、不況にも強いため」(30代 男性)、「安定性があり、安全資産として有効であるため」(40代 男性)、「以前購入した金のETFがかなり増えたので、現物取引にも興味が湧きました」(50代 女性)といった声が寄せられた。


金には、世界情勢の不安定化や不況に強い安全資産というイメージがある。戦争・紛争や経済危機下でも価値が下がりにくい資産として信頼されているため、リスクに備える手段として持っておきたいという人もいるようだ。

金への投資は「ETF(株式市場に上場している投資信託)」「投資信託」「純金積立」「現物の購入」などで行える。現物(金地金や金貨)を買う場合にはまとまった資金が必要で、安全な保管場所も準備する必要がある。一方、投資信託や純金積立なら保管場所の準備は必要なく、比較的少額から投資が可能となっている。
○7位「NISA」

NISAを挙げた人からは、「ニュースで取り上げられていたから」(20代 女性)、「よく耳にするし、リスクが少ないイメージもあるから」(30代 男性)、「少ない額で始められる。よくCM等でも宣伝している」(40代 女性)という回答が寄せられた。

「NISA」は他のランクイン項目と違って、個別の金融商品ではなく、一定額以内であれば株や投資信託に非課税で投資できる制度となる。2024年1月1日から新NISAがスタートし、メディアや金融機関の窓口でも盛んに宣伝された。そのためNISAという制度を知って、やってみたいと感じている人も多数。国が推進している制度であり、盛んに宣伝されていて、やっている人も多いなら安心と感じている人も多いと考えられる。

NISAだから株や投資信託そのもののリスクが低減するというわけではないが、投資信託であれば比較的少額から始められるので、リスクを減らすことができる。「NISAでの取引だと売買手数料が無料」といった特典を設けている証券会社も多い。
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