ジー・プランは9月9日、「将来の生活に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2025年8月23日~8月27日、全国の50代以上の未婚男性1,763名を対象にインターネットで行われた。
○約7割が将来に不安
回答者の約69%(1,212件)が、将来に不安があると回答した(「非常に不安がある」649件、「少し不安がある」563件)。
最も多かった不安は「健康」(1,197件)で、「認知症になった際に世話をしてくれる人がいない」「寝たきりにならないか心配」といった切実な声が寄せられた。健康問題が経済的困窮に直結する懸念も強く、「できる限り自立した生活を続けたい」という願望と「助けなしでは生きていけなくなるかもしれない」という恐れが交錯している。また、長期療養や介護が必要になった場合でも「できる限り自宅で過ごしたい」という希望(949件)がある一方、支えが得られないかもしれない現実との乖離が見られた。
「健康」に次いで多かった不安は「老後の生活資金」(966件)だった。「資産不足が心配」「物価高なのに収入が上がらない」といった声が寄せられ、特に「老後資金の必要額が分からない」という回答が587件と最多だった。経済的な備えとしては「預貯金」(1,119件)が最も多い一方、「株式投資」(559件)や「投資信託」(433件)、「NISA」(394件)など、資産運用に積極的な人も一定数存在する。しかし「特に何もしていない」という回答も467件(全体の4分の1以上)に上り、「何をすれば良いか分からない」といった諦めに近い感情や、社会全体への不信感も垣間見えた。
そして、「健康」「老後資金」に続き「介護」に不安を抱く人は693件に上った。その内容は「準備不足」「頼れる人がいない」「家族への負担が心配」「介護サービスに関する知識不足」など多岐にわたり、複合的な懸念が示された。
○相談相手が「いない」人は57%超
日常生活で「孤独や社会的孤立を感じる」と回答した人は559件(「時々感じる」380件、「常に感じる」179件)。そのうち、悩みを相談したり、本音で話したりできる相手が「いない」と答えた人は1,008件(57%以上)に上り、孤立リスクの高さが明らかになった。
相談相手は「家族(両親・兄弟姉妹)・親戚」(445件)、「学生時代の友人」(283件)が多い一方、関係性の希薄な層では孤立の可能性が懸念される。自由回答では「猫を飼っているので、もし自分が先に逝った場合に世話代などを渡せるよう、銀行口座等を家族に任せられるようにしたい」といった具体的な不安も挙がり、生活全般にわたる支援の必要性が示された。
○終活への意欲は約39%に留まる
終活を「すでに始めている」と回答した人は124件、「今後始めたい」を含めると全体の約39%(687件)だった。
一方で「何から手をつけて良いかわからない」(313件)、「どこまでやればいいか分からない」(220件)、「費用がどのくらいかかるか分からない」(214件)など、具体的行動に移せない理由が多数挙がった。自由回答では「イメージがつかめず、結局手を付けられていない。何かきっかけがほしい」といった意見も見られた。
実際に取り組んでいる活動は「身の回りの整理・生前整理」(482件)が最多で、「資産整理・相続」(270件)、「病気や介護が必要になった時の備え」(249件)が続き、三大不安と密接に関わる項目が上位を占めた。