俳優の二宮和也と小松菜奈が出演する映画『8番出口』(公開中)が、トロント国際映画祭のセンターピース部門へ正式招待され公式上映が行われた。

『8番出口』は、2023年にインディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATE氏が制作し、累計170万ダウンロード超のヒットを記録したゲーム『8番出口』を実写化した作品。
川村元気監督がメガホンをとる本作の主演は二宮和也で、河内大和、小松菜奈が出演している。

第50回トロント国際映画祭のセンターピース部門へ正式招待された本作が現地時間の9月8日に公式上映された。トロント国際映画祭は、北米最大級の観客動員を誇り、アカデミー賞の行方を占う「オスカーレースの登竜門」として世界的にも注目される映画祭。同映画祭のセンターピース部門では、ストーリー性や芸術性に優れた長編映画を対象に、他の国際映画祭で高い評価を受けた作品や、才能溢れる監督の注目作品などが紹介される。

上映終了後行われた舞台挨拶には、川村元気監督、脚本の平瀬謙太朗氏が登壇し、映画化への経緯や制作秘話などを語り、会場に詰めかけた228人の観客とのQ&Aを実施した。無限ループを繰り返す地下通路での撮影秘話について聞かれると「secret!(秘密)」と一言で場内が笑いに包まれるなど、大いに盛り上がった。舞台挨拶終了後には2人の周りに多くの観客が集まり、サイン攻めにあう場面も。川村監督は「今年で50回目を迎える歴史ある映画祭ということもあり、上映後に行われたお客様とのQ&Aでは、レベルの高い質問が多く寄せられ、映画ファンが多く集まる、素晴らしい映画祭だと感じました。『ゲームをどのように映画化したのか』『映画的表現によって観客にルールをどのように理解させていったのか』といったテクニカルな質問が多く、とても印象的でしたね。また、日本でも最近見られる現象かなと思いますが、『あれはどうやって撮影しているのか』『あの伏線はどのような意味があったのか』といった疑問を通して、映画を謎解きのように楽しんでいる印象を受けました。作品に込めた伏線を回収する楽しさで盛り上がっている様子が、映画体験としてユニークなものになっていると感じました」と、カンヌに続き、北米プレミアでも手応えを実感している様子。好評だった本作は、次に釜山国際映画祭での韓国プレミアが待ち構えている。


(C)2025 映画「8 番出口」製作委員会

【編集部MEMO】
本作で脚本も手がける川村元気監督は、『電車男』『デトロイト・メタル・シティ』、『告白』、『悪人』、『君の名は。』などのプロデューサーとしても知られる。初監督作である『百花』では、第70回サン・セバスティアン国際映画祭にて、日本人初となる最優秀監督賞を受賞している。
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