寿司・回転寿司チェーンのスシローが、石川県能登町の名産“小木港のするめいか”を使用した特別コラボメニューを発表。誕生したのは、イカの寿司……ではなくラーメン!イカのうまみがたっぷり味わえる「能登小木港いかのせ いか白湯醤油ラーメン」は、9月10日(水)より全国のスシローにて提供スタート。
○■能登名物・イカのうまみを引き出したラーメンで地域還元
スシローが昨年から始めた、ご当地グルメとのコラボによる“ジモメシ”プロジェクト。「全国のスシローのお客さまに日本中の隠れた名産や名物を楽しんでいただき、地域を盛り上げたい」「地域に還元したい」と始まった。
その第3弾となるのが、今回9月10日から始まる「能登小木港いかのせ いか白湯醤油ラーメン」だ。開発に際しては、震災復興への一助になればという思いがある。FOOD & LIFE COMPANIESの山本雅啓社長は、震災発生後の2024年2月には被災地支援として、子会社である京樽の弁当などを提供したが、そこから時間もたち報道も少なくなったことに触れ、復興には時間がかかることから「やれることを」と今回のプロジェクトに至った経緯を説明した。
麺の上には、石川県能登名物・小木港するめいかをトッピング。また、一緒に添えられるのは、鶏むね肉のチャーシューだ。イカと鶏、これが意外にも「合う」のだという。
能登半島に位置する小木港は、明治時代からイカ釣り漁が始まり、今では日本三大イカ釣り港の一つとして知られる。「船内急速凍結」という独自の冷凍技術による高い鮮度と味の良さが特徴で、通常であればまとめて冷凍されるイカをとれたての状態で波型の冷凍トレーに1杯ずつ並べ、船内の急速冷凍室でマイナス40度に凍結。解凍したいかは、吸盤が手に吸い付くほどの鮮度を誇り、いか本来の濃厚な旨みと強い甘みが特徴だという。
FOOD & LIFE COMPANIESの山本雅啓社長らは9月8日、馳浩石川県知事を訪問。試食した馳知事は、麺をすすって開口一番、「うまい!」。
「イカの味に合わせたスープにしてある。鶏むね肉が合うね」
「なぜラーメンだったのか?」という馳知事の問いに対して、山本社長は「小木港のするめいかに一番合うメニューを考えた」と返答。
「もともと小木のイカ自体にすごく味がしっかりあったので、それがきちんと活きるようなスープとイカが邪魔し合わないようなイカのスープを作らせていただいた。そこに一番気を遣いました」(山本社長)
※スープには“小木港のするめいか”は使われていない。
スシローは現在全国に650店舗ある。食材選定から関わった、ジモメシ推進PRリーダーである福井ひとみ氏は、全店舗に展開できる供給量であることがジモメシとのコラボ成立のための必須条件だと話す。店舗限定で提供する、ということはないのか?と尋ねると、「この“ジモメシ”自体が、全国の名産・名物を全国のお客様に食べてもらうというプロジェクト。なので、全店販売はマストなんです」。
今回予定されたラーメンの販売数、45万食。45万回、日本全国で能登を思い出すきっかけが生まれる、と考えることもできる。
吉澤志保 よしざわしほ 雑誌出版社、不動産広告代理店、不動産アプリ・SaaS開発会社を経て、フリーランスに。文章と写真をベースに、紙やWEB、SNS、アプリなど媒体を横断し、多角的な視点で見た構成・切り口設計を考えるのが得意。地方好き・移動好き。都心のミニマムな戸建賃貸で、日々地方とよりよく繋がり続ける方法を模索中。 この著者の記事一覧はこちら