青山商事ではリブランディングを完了した「SUIT SQUARE」において、レディース市場にも注力していく。アンバサダーに俳優・モデルの白石麻衣さんを迎えたほか、レディーススタイルの新シリーズ『CHANTOWA(ちゃんとは)』をローンチした。
○"ちゃんとは、したい"
メディア発表会に登壇した青山商事の遠藤泰三社長は、めまぐるしく変化する社会情勢に対応するため「従来にないスピード感でブランドの変革を推し進めていく」と説明する。「OMO推進、DX推進、人的資本経営の推進を3つの柱とし、2025年4月には組織の体制を大幅に見直しました。お客様との接し方に選択肢が増えて、従業員の働き方が変わり、ビジネスモデルも大きく進化すると確信を持っています」と遠藤社長。
SUIT SQUAREでは、洋服の青山でアプローチできない都心の若年層のニーズに応えていく。特に、売上構成比において現在は約25%にとどまるレディース分野に注力し、これを早急に35%まで引き上げる。そのためにも、新たなビジネスウェアの提案として立ち上げた『CHANTOWA』の反響に大きな期待を寄せている。
なおメンズカジュアルブランドについても、2026年度中に新たな動きがあると予告。こちらは現在のSUIT SQUAREの出店状況、世の中のカジュアル化の動きを見ながら提案していきたい、としている(詳細は後述)。
続いて執行役員の岡本博氏が、今後の展開について紹介した。レディースブランドCHANTOWAは「ちゃんとしたいんじゃなくて、”ちゃんとは、したい”」をキャッチコピーに掲げる。岡本氏は「オフィスで浮かないきちんと感をベースにしながら、デザインの中にトレンド、そして気の利いた機能性を落とし込んだアイテムを揃えています。
またメンズカジュアルブランドについては『FLAT(フラット)』を2026年春にスタートさせる。ビジネスとカジュアルの境界線をなくしたい、という思いからFLATと名付けた。こちらはTシャツ、ニット、軽いアウターが中心になる予定。ECでの販売を主とし、新たな客層を広げていく。
このほか、2024年度から始動している「CIS.」と「GOOVI」の2つのブランドについてはECの販売を強化し、スマートフォンで「バーチャル試着」できるサービスも整える。さらにSUIT SQUARE全体でもECで購入しやすいアイテムを増やし、店舗・ECの相互で購入をスムーズにしていく。
○背筋がピンと伸びる服
白石麻衣さんが出演するCHANTOWAの新CM<ちゃんとはしてたいだけ篇>は、WEB CM(放映開始は9月18日)とテレビCM(放映開始は10月6日)を用意している。白石さんがオフィスでデスクに向かう姿、山積みの書類を見つめる姿、あるいはオフィスチェアで遊ぶ(?)姿は、どれもシュールでどこか微笑ましい。
メディア発表会にゲストとして招かれた白石さんは、撮影時のエピソードについて「勢いよくオフィスチェアで滑ってきて、画面の真ん中で止まらないといけなくて。それが難しかったですね。楽しい撮影現場でした」と笑顔で振り返る。
ちなみにCMで着用しているアイテムは『コクーンシルエットプルオーバー』(7,689円)。ラベンダー、ホワイト、チャコールグレー、グレー、ブラウン、ベージュの6色展開となっている。新商品に袖を通した感想を聞かれると「肌触りも着心地も、とても良いんです。激しく動いても、身体にフィットしてくれます。でも、きちんと感もあって、TPOを選ばずに着用できると思いました」。普段の私服はカジュアルな格好も多いんです、としながらも「ジャケットを羽織ったりパンツスタイルになったときは、背筋がピンと伸びますね。そんな感覚も好きです。これから、たくさんCHANTOWAをPRしていけたら良いな、と思っています」と話す。
新たな門出を迎えたSUIT SQUARE。これにちなみ、新しい舞台に挑戦する人に向けたメッセージを求められると「新しい出会い、新しい経験がこれからの自分をもっともっと輝かせてくれるはずです。SUIT SQUAREのアイテムに身を包んで、新たな1歩を踏み出してもらえればと思います」と微笑んだ。
近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。