フォスター電機(フォステクスカンパニー)は、独自開発による全面駆動型平面振動板RPドライバーを搭載し、徳島の阿波藍で染めた無垢材ハウジングを採用したヘッドホン「TH1000RPmk2(密閉型)」と「TH1100RPmk2(オープン型)」を発表。2025年10月上旬より販売を開始する。
TH1000RPmk2/TH1100RPmk2は、1974年より改良を重ねてきたRPテクノロジー全面駆動型平面振動板ドライバー史上、最も大型の振動板を採用し開発されたプレミアムRPドライバー採用したヘッドホン。ドライバー内部の空気のダンピングコントロールを中心に制動材や新イヤーパッドによる流量調整で振動板の動きを前モデルより最適化したという。これにより特に低域における理想的な状態での振動板振幅を実現。プレミアムRPドライバーならではの大型振動板と磁気回路による不要共振を抑えた鋭いレスポンス、高感度と滑らかな周波数特性、優れた過渡特性はもとより、従来以上に重低音域から高音域までのクリアな音像を忠実かつ明確な定位感で空間に表現する能力を備える。
新形状イヤーパッドは、顔に当たる面を傾斜させた形状で装着感を最適化。内部の低反発ウレタンは2層構造とし顔の形状にフィットするよう柔らかいタイプを表側、高弾力タイプを内側に配置したことに加え、従来比3倍に耐久性を高めたシルクプロテイン製合皮の採用により、長時間にわたるリスニングでも快適な掛け心地で利用できる。
リケーブルの対応性を向上し汎用性を高めるため、2極3.5mmコネクタを採用。内部配線材と付属のアンバランス・ケーブルは不純物を極限まで排除し伝送能力を高めた7N(99.99999%)グレードの高純度OFC(Oxygen Free Copper:無酸素銅)ケーブルを使用している。また別売の4.4.mmバランスケーブル(ET-TH4.4BL2Y)を用意している。
ハウジングは、ギターの材料で知られるハードメイプルの無垢材を、藍染めで有名な徳島県の阿波藍で染め上げたものを共同開発。熟練職人の手によりひとつひとつ丁寧に染め上げることで、ハードメイプルならではの木目が美しく現れる深い藍色に仕上げている。
また、ハウジングのベースプレートやハンガーなどの機構部品にはマグネシウム合金を新規採用し、アルミ比で20%軽量化を図るだけでなく、回転機構部にゴム製パッキンを採用し余分な振動を極力排除。各部品の細部まで配慮する設計思想で改善を図り、使用感がさらに向上している。ヘッドパッドとヘッドバンドには天然素材のシープスキンを採用、しなやかで良好なフィット感で使い込むほどに変化する風合いを味わえる。
主な仕様は以下の通り。
型式:TH1000RPmk2=密閉ダイナミック型、TH1100RPmk2=オープンダイナミック型
ドライバー:RP方式平面振動板
インピーダンス:32Ω
感度:TH1000RPmk2=100dB/mW(暫定)、TH1100RPmk2=96dB/mW(暫定)
最大入力:3,000mW
再生周波数帯域:10~40,000Hz
本体質量:約420g(ケーブル含まず)
ケーブル: Φ3.5mm(2極)ミニプラグ ×2(L/R) ⇔ Φ6.3mm金メッキステレオプラグ/高純度OFC2m×1
本体、ケーブルのほか、レザー調ポーチなどが付属する。