リコージャパンは9月25日、伴走型で顧客企業の脱炭素を支援するパブリックサービス本部の活動について、これまでの進捗と2025年度の戦略に関する記者説明会を開いた。
GXの社内実践で2050年目標を10年前倒し

リコーグループはグローバル全体で、2050年度に二酸化炭素排出量のネットゼロ(実質ゼロ)を目標として掲げていた。
しかしこれまでに、設定温度の見直しなど設備の「運用」、LEDをはじめエコな設備への「入替(エコ替)」、太陽光発電設備の導入といった新規設備への「投資」をそれぞれ推進しており、達成目標を10年前倒しして現在は2040年度のネットゼロを目標としている。

2024年度までの実績として、スコープ1(自社の直接排出)および2(電気や熱の利用による間接排出)は2015年度比で59.1%、スコープ3(原料仕入れなどサプライチェーン上の排出)は同46.8%削減したという。

なお、SBT(Science Based Targets)1.5℃認定目標の達成となる2030年度までの目標に対し、2024年度時点でスコープ3はすでに達成している。スコープ1および2も達成見込みだという。

順調に見える同社の脱炭素ロードマップであるが、当初は失敗もあったそうだ。地域社会課題の解決を促すパブリックサービス本部の本部長を務める花井厚氏は、「最初に投資・エコ替・運用の順番を間違えた。当時は投資を先行したために、費用対効果が合わない施策もあった。まずは運用でコストを下げてから、その浮いたコストで設備導入すれば、先行投資することなくサイクルを回せることに後から気付いた」と、失敗談を紹介していた。

同氏はこうした失敗の数々を「滑ったり転んだりした経験」と呼ぶ。この経験こそがリコージャパンにおける社内実践のノウハウであり、現在はこのノウハウを社外にサービスとして展開している段階だ。

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