オリエントスターのMコレクションズ「M34 F8 デイト リミテッドエディション(RK-BX0007B/RK-BX0008B)」は、「金属ナノ粒子積層技術」によって文字板を描いた非常に特徴的な1本だ。

2023年に立ち上がったMコレクションズは、夜空の星雲や星団をデザインテーマにしたワンランク上のラインナップ。
その中の「M34(コンテンポラリーコレクション)」は、流星群で知られるペルセウス座のある星団から着想を得たというシリーズだ。力強さとシャープさ、先鋭的なデザインを掲げつつ、さまざまな着用シーンにマッチするモデルを展開している。

今回取り上げたのは、国内限定80本のRK-BX0007B、および公式オンラインストア限定20本のRK-BX0008Bだ。発売は2025年6月だが、少数ながら在庫がある。RK-BX0007Bには本ワニ皮革替えバンド、RK-BX0008Bにはコードバン替えバンドが付属。そのほかの仕様は共通で、価格はどちらも40万7,000円だ。

見どころは何と言っても文字板。シリーズのテーマでもある「夜空に降り注ぐペルセウス座の流星群」を、冒頭で書いた金属ナノ粒子積層技術で表現している。

金属ナノ粒子積層技術というのは、もともとはエレクトロニクス分野のテクノロジー。これを腕時計に応用したのはRK-BX0007B/RK-BX0008Bが世界初とのことだ(オリエントスター調べ)。

直径6μm(マイクロメートル、1mmの1/1000)ほどの金属ナノ粒子を、何層にもわたって積層印刷し、発色に強弱や濃淡をつける。さらにグラデーション加工やラッピング塗装を組み合わせ、宇宙の奥深さを表現している。
黒い深淵の背景に金属ナノ粒子が描く様子は、まさに流星群。文字板を見る角度や光の当たり方で動きが生まれ、時計を傾けながら見ると文字板上を流星が流れているようだ。

明るい場所だと文字板の流星が目立つこともあるが、特にギラついた感じではなく、物静かな印象。光や角度によっては、文字板上で流星そのものがほとんど見えなくなる。袖口をさりげなく上品に彩る大人の雰囲気だ。

ケースとバンドの素材はステンレススチール、ケースサイズは縦47.3mm×横40mm×厚さ12.9mm、重さは156g、風防はサファイアクリスタル(Super Anti-Reflective coating)、防水性能は日常生活用強化防水(10気圧)となっている。

ケースの造形は英雄ペルセウスをイメージしたもの。Mコレクションズの力強さとシャープさを持ちながら、曲線も用いたエッジやバンドの駒によって柔らかな印象もあり、腕なじみがよい。

ムーブメントは、自社製の手巻き付き自動巻き機械式「キャリバー F8N64」を採用。オリエントスターならではのシリコン製がんぎ車を用いたムーブメントは、60時間以上のパワーリザーブを持つ。精度は日差+15秒~-5秒だ。ダイヤルの12時位置にはパワーリザーブインジケーターがあり、機械式時計としての実用性をもたらしている。


RK-BX0007B/RK-BX0008Bが持つ独特の文字板は、金属ナノ粒子積層技術というテクノロジーもさることながら、その表現においてもほかにはない個性が光る。一見するとオーソドックスな3針+デイトの時計だが、個性を秘めた時計を身に着けたい人にとって価値ある1本だ。
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