毎年この時季に勃発する「月見戦争」。主にハンバーガーチェーン各社が目玉焼きをトッピングしたハンバーガー=月見バーガーを一斉に発売し、覇を競う(?)ことからそう呼ばれてきた。


が、昨今は徐々にこの状況も変化。もはやハンバーガーに限らず、さまざまなジャンルが次々に参戦しているのである。ということで今回は、“非ハンバーガー系”の月見商品を食べ比べ! まさかのラーメンまで登場するから、最後までお見逃しなく~!
■すき家「月見すきやき牛丼」

それではさっそく、いってみよう。トップバッターはこちら!

すき家の「月見すきやき牛丼」である。昨年も登場した期間限定メニューで、やはり好評だったらしく、今年もパワーアップしてカムバック! というワケらしい。今年は具材に春菊を追加したほか、タレもすっきりした甘さに調整し、牛肉などの具材本来の旨みをより引き立てるようリニューアルしたそうだ。

こちらが実物だけど……うっ、ウマそうだぞ、これ……。焼き豆腐まで入ってるし、かなり“すき焼き感”が漂ってるぞ。

たまごは自分で割って、仕上げるようだ。こんな感じかな?

おいおい、黄身を乗せただけでビジュアルが一段も二段もよくなってないか? 絶対ウマいじゃん……ということで、さっそくいただきましょう。まずは黄身を崩さず、そのままいってみよう!

おおぉぉぉ~……めちゃウマいッ……!! めちゃくちゃすき焼き感あるわ! ウマッッッ!! 具材には甘辛いタレの味わいがしっかりと滲み渡っており、シャキシャキ感とくったり感の食感的な塩梅も絶妙! 甘みのあるすき家の牛肉ともめちゃくちゃ好相性だ。ボリューム感もたっぷりだし、食べごたえもスゴい!

さて、お楽しみの黄身をいよいよ割って……パクッ!

くぅぅぅ……最ッ高ッッッ!! うわ~、ウマ~! 甘辛いすきやき牛丼が黄身のパワーでさらに濃厚&まろやかになってめちゃくちゃウマい! このスペシャル感……! すき焼きっぽさもさらに増したし、贅沢感も半端じゃない。
これはヤバいな、口の中がひたすら幸せだ。

途中、紅生姜で味変してみたけど、これもまためちゃくちゃよかった。「月見すきやき牛丼」は甘みと出汁の風味が最高なんだけど、ここに梅酢のまろやかな酸味、そして生姜のピリッとした辛味が加わることで、味がギュッと引き締まる感じ。これはクセになる!
■かつ庵「月見味噌かつ重」

続いてかつ庵の「月見味噌かつ重」。んっ? 「バター香る味噌ソース」……だと!? 一体どういうことだ!?

というわけで実物を見てみよう。

さっそく蓋を開けてみると……

うぉい!! 露骨にウマそう! これはヤバい! 美しすぎるって! ああ、もうこの時点でバターの香りがッ!

これにたまごを乗っけて……

完成! さらにウマそうになったぞ。

それではさっそく、まずはそのままひと口。パクッ。

アカン……ウマすぎる……!! サックサクに揚げられた衣は薄すぎず、厚すぎず、揚げ物として最高レベルの食感。その中から肉厚でジューシーな豚肉の旨味が脂とともに溢れ出してくる! そこにまったりと絡む、コク深い赤味噌系ソース……これぞ、まさに至福の逸品! バターの風味も相まって、めちゃくちゃ濃厚な旨味の塊と化している!

味噌かつの下に敷かれたキャベツが、これまたえげつないくらいウマい。バターの風味はキャベツやご飯にも沁みまくっており、これが味噌かつと混じり合うことで、名古屋的な味噌かつとは一線を画した唯一無二の味わいに仕上がっている。中毒性、高し……!

さらに温たまを割って味噌かつに絡めて食べれば、もはや一切隙なし! うっ、ウマい……全方位的にウマすぎる!!

生たまごと違い、半熟ならではのまろやかな旨味がバターの香る味噌かつにめちゃくちゃマッチしている。
幸福感がハンパじゃない。これで790円はいくらなんでも安すぎる!
■伝丸「月見醤油肉つけ麺」

ラストはらーめんチェーン・伝丸の……

「月見醤油肉つけ麺」! まさかのラーメンである。ラーメンで月見とは、時代の進化を感じますな~。

その実物がコチラ!

いや~、イイネ!! 今まで伝丸は何度もきてるけど、つけ麺は初かも。味噌ラーメンがウマすぎてそればっかり食ってるからな~。これは楽しみ! 今回もセルフでたまごを割って……

完成!

やっぱり黄身が乗るだけで一気に華やぐな~。

ということで、まずは黄身なしでそのまま……いただきます!

うおおーーーー、ウマい! めちゃくちゃウマいじゃん! キレのある醤油の塩味と出汁の風味、豚肉の旨味、そしてほんのり甘めの味付け……サッパリしているようで、しっかり濃い。つけ麺にありがちなツンとくるような酸味もなく、シンプルといえばシンプルなんだけど、めちゃくちゃ刺さるこの感じ……マジでウマい! しかもかなり具だくさんで、コスパ的にも相当いいぞ!

あまり大きな声じゃ言えないけど、魚粉が効きまくってる“魚介豚骨系のつけ麺”って、そろそろ食傷気味というか……もう結構つけ麺というジャンル自体が画一的になってきちゃってるイメージがあったんだけど、伝丸のつけ麺は独自路線! これはいいぞ!

そして黄身も割って、つけ汁に麺をくぐらせて……ズズズズズッ!

ヤッッッバ!! ウッッッマ!!!! たまごのまろやかさが加わって、さらに濃厚で奥深い味わいへと進化。つけ汁との相性も完璧だ。このつけ汁とたまごの相性はちょっとすごいな。白身ごといっても全然美味しいだろうし、紅葉おろしとか入れて、鍋のシメのラーメンっぽくして食べてもめちゃくちゃウマい気がする。

そしてこの麺ね。
“ふすま”(小麦粒の表皮部分)入りで小麦の風味が実に豊かで、ツルツルとした喉越しも抜群。最近のつけ麺にありがちな極太麺というほど太くもなく、つけ汁と麺の絡み具合もお見事!

ということで、“非ハンバーガー系”の月見戦争、いかがだっただろうか? 黄身ひとつで料理が化ける。その力を、牛丼も味噌かつもつけ麺も見事に証明してくれた。もはや「月見」はジャンルを超えた秋の風物詩。今年も胃袋は、この戦いの行方に振り回されるのだ!
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