KDDIは9月29日、アイドルやアーティストの特定メンバーを追い続けて撮影する「推しカメラ(チッケム)」映像専用の配信アプリ「Chikemoo(チケムー)」の提供を開始した。推しカメラ映像専用アプリの提供は国内初となる。
Chikemooでは、複数名で構成されるアーティスト/アイドルグループのパフォーマンスに関して、ステージ全体の映像と個別メンバーの映像を自由に切り替えて視聴できる。
ユーザーは各メンバーを追い続ける推しカメラで推しメンバーをより近くで楽しめるほか、グループ全体としても新たな魅力をファンに届ける配信ツールとして活用できる。
コンテンツ第1弾として、5月に開催された「KCON JAPAN 2025」や7月の「2025 Show! 音楽中心 in JAPAN」のほか、NiziU、NEXZ、FRUITS ZIPPER、KISS OF LIFE、アルテミスの翼、Another Diaryなど計37組によるパフォーマンスを順次公開する。
配信コンテンツは音楽イベントを中心に、今後は演劇やスポーツなども検討。料金は各コンテンツによって異なり、例えばKCON JAPAN 2025は1DAYチケットが2,200円、3DAYSチケットが5,500円となっている。
パフォーマンスの最高の瞬間を切り取ったデジタルトレカと、動画視聴を記念したデジタルチケットの提供も予定。これらはNFTとして永久的に保存でき、スマートフォンからいつでも楽しめる。
近年、世代を問わず「推し活」を楽しむ層が広がり、特にアーティストグループのファン人口は急成長を遂げている。音楽ライブを映像配信で視聴する体験がコロナ禍を経て一般化したことに伴い、海外ではグループアーティストの特定メンバー1人だけを映し続ける「チッケム(推しカメラ)」の文化も広がった。
しかし、チッケム映像の制作には、メンバー人数分のカメラ設置や撮影、それぞれの映像編集作業が必要で、スタッフに大きな負荷と時間がかかるため、国内では一部グループでの提供に留まっていた。Chikemooでは、超高精細カメラなど最新技術を活用することで、カメラ台数の大幅な削減を実現。公演主催者はタイムリーかつリーズナブルにチッケムを導入できるようになった。
また、従来は推しカメラ映像がメンバーごとに別々の動画として配信されることが多く、同時視聴や視点切り替えが煩雑だったが、Chikemooでは1つの画面で複数メンバーの動画を切り替えて視聴できる。
さらにKDDIは、韓国放送公社(KBS)と推しカメラ映像のリアルタイム配信システムの共同開発における基本合意書を締結。当初アーカイブ映像配信から開始するChikemooにおいて、推しカメラのリアルタイム映像配信の実現も検討していく。
今後は、推しカメラのリアルタイム配信やデジタルトレカに加え、アーティストへの還元が可能なサービスを目指し、NFTやKDDIのビッグデータを組み合わせたアーティストへのマーケティング支援も実施する予定だ。
○各コンテンツの配信開始日と価格
NiziU オリジナルチッケム動画: 9月29日配信開始/1,800円
NEXZ オリジナルチッケム動画: 9月30日配信開始/1,800円
2025 Show! 音楽中心 in JAPAN: 10月1日配信開始/1DAY 2,750円、2DAYS 4,400円
KCON JAPAN 2025: 10月9日配信開始/1DAY 2,200円、3DAYS 5,500円
KISS OF LIFE ワールドツアー: 10月15日配信開始/4,400円
アルテミスの翼 rock field ULTRA LIVE: 9月29日配信開始/1,500円